本設例においては仮想通貨の購入が計3回、売却が1回となっており、仮想通貨を売却した際の売却時価に対応する原価について、取得価額をどのように算出するかによって所得計算の結果がかわることになります。
【図解】先入先出法・移動平均法・総平均法|商品の払出単価の計算
日商簿記2級
今回は商品の払出単価の下記3つの算出方法について解説します。
↓[個別法]・[最終仕入原価法]については下記をご参照ください。
商品の払い出しとは?
商品の払い出しとは、仕入れた商品を販売することをいいます。
上記の図の右上の 【売上原価】 に当たる部分が払い出しになります。
- 商品は販売されることで[売上原価]が計上されます。
- 販売されてない商品は[期末商品棚卸高]として[商品(資産)]で計上します。
- ※詳しくは下記の参照記事をご覧ください
また左下の②仕入は「 受入 」とも呼びます。
商品の払出単価の算出
払い出した時の単価はどう算出すればよいでしょうか?
先入先出法(簿記3級)
「先入先出法」は名前の通り、先に受け入れた商品から払い出す方法です。
移動平均法(簿記3級)移動平均法による評価方法をわかりやすく解説
「移動平均法」は商品の 受け入れのつど 、平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法です。
総平均法(簿記2級)
「総平均法」は 一定期間における、 平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法です。
仮想通貨の確定申告で利用される「移動平均法」「総平均法」の違いとは?
このケースにおいては、購入した3BTCのうち、売却した1BTCに係る取得原価(= 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 100円)と、売却時の時価(= 150円)の差額である50円が所得として認識され、移動平均法と総平均法の間で計算結果に違いはありません。
計算例2:仮想通貨の購入が2回以上ある場合
ビットコインを、①〜④の順で購入・売却した。
①時価100円/BTCで1BTCを購入 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説
②時価150円/BTCで1BTCを購入
③時価200円/BTCで1BTCを売却
④時価275円/BTCで1BTCを購入
本設例においては仮想通貨の購入が計3回、売却が1回となっており、仮想通貨を売却した際の売却時価に対応する原価について、取得価額をどのように算出するかによって所得計算の結果がかわることになります。
まずは移動平均法についてです。移動平均法においては、 仮想通貨の取得価格(単価)は仮想通貨の購入の度に計算 します。
③の売却時においては、直前の②の購入までで計算された単価である125円をもって原価とするため、200円 – (125円 × 1BTC)= 75円が所得金額となります。
総平均法においては、基準期間(本設問においては①〜④の取引を含む全期間)に購入した金額合計を、基準期間に購入した仮想通貨の数量合計で除して、基準期間全体で一律の取得価額(単価)を利用します。
したがって、200円 – (175円 × 1BTC)= 25円が所得金額となります。
移動平均法と総平均法の違いは「計算のタイミング」
上記設例のように、移動平均法と総平均法の最大の違いは購入した 仮想通貨の取得価額(単価)を計算するタイミング です。移動平均法は購入の都度取得価額(単価)を計算しますが、総平均法は基準期間の最後にまとめて取得価額(単価)を計算します。
ビットコインなど仮想通貨の総平均法・移動平均法の違い
取得原価の計算方法について、前提仮想通貨の購入単価の計算に 移動平均法を使用した場合と総平均法を使用した場合の計算結果は、単年度では異なるものの、将来にわたって生じる所得金額は一致 します。
しかし、2017年度の仮想通貨市場や上記設例2のように、基準期間を通じて相場が 上昇トレンドの場合に総平均法を用いると 時価のあがった後半の期間に仮想通貨の購入を行うことにより、所得計算を行う売却時に利用する 取得価額(単価)が上昇するために結果として所得金額が少なくなる ことが多くなります。
総平均法の採用にはデメリットも
【移動平均法】
- 購入の都度取得価額(単価)を算出するため、計算が煩雑
- 経済的な実態に即した計算方法
- 年度中に所得計算ができるため、所得の見積りや納税資金の準備が行いやすい。
【総平均法】
- 年度内のすべての購入を集計し、一度で単価を計算できるため計算が容易
- 購入タイミングや市場のトレンドによっては経済的な実態と乖離してしまう可能性がある。
- 年度が終わらないと取得価額(単価)がわからないため、納税資金の準備が行いづらい。
移動平均法・総平均法で仮想通貨取引を計算するには?
ビットコインなどの仮想通貨における 移動平均法・総平均法の計算方法と、その詳しい違いについてご紹介してきました。これらの計算を手作業でやると、かなりの時間と労力が必要になると想像できるでしょう。 特に移動平均法の計算は非常に煩雑です。
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【商品有高帳】先入先出法と移動平均法による払出単価の計算
ボキタロー
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先入先出法とは?
先入先出法による商品有高帳の記入方法
- 4月1日:前月繰越10個(@¥100)
- 4月10日:商品10個を@¥110で仕入れた。
- 4月15日:商品12個を@¥120で販売した。
前月繰越の記入方法
前月からの繰越高は、摘要欄に 前月繰越 と記入して受入欄および残高欄にその数量・単価・金額を記入します。
4月10日(商品を仕入れたとき)の記入方法
異なる単価の商品が複数ある時は、残高欄において 異なる単価ごとに別々に記入し 、それらを「{」でくくります。
4月15日(商品を販売したとき)の記入方法
商品を販売した時は、摘要欄に「売上」と記入して払出欄にその数量・単価・金額を 原価で 記入し、払出後の数量・単価・金額を残高欄に記入します。
先入先出法では古い商品から先に払い出すと仮定するので、払出欄において 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 古い単価の商品から順番に 異なる単価ごとに別々に記入し、それらを”{”でくくります。
次月繰越の記入方法
先入先出法では古い商品から順番に払い出していくので、月末には 新しい商品から順に残っていく ということになります。
移動平均法とは?
移動平均法による商品有高帳の記入方法
- 4月1日:前月繰越(@¥100)
- 4月10日:商品10個を@¥110で仕入れた。
- 4月15日:商品12個を@¥120で販売した。
移動平均法による商品有高帳
基本的な記入方法と記入上の注意点は先入先出法と同じです。移動平均法では 新しい商品を仕入れるたびに平均単価を計算 し、それを次の払出単価とします。
平均単価の計算方法
- (在庫商品の金額+仕入商品の金額)÷(在庫商品の数量+仕入商品の数量)
- =(¥1,000+¥1,100)÷(10個+10個)
- = 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 @¥105
ボキタロー
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棚卸資産の評価方法。わかりやすく解説します。
会計
最終仕入原価法とは?
【EX】
2月18日 机 20個 10,000円/個 計200,000円で購入
7月5日 机 10個 11,000円/個 計110,000円で購入
8月1日 机 5個 9,000円/個 計45,000円で購入
10月31日 机 10個 12,000円/個 計120,000円で購入
12月31日までに机を25個販売し在庫は20個。最終仕入の単価は10月31日の12,000円なので、机20個×単価12,000円で 240,000円が棚卸評価額 となります。
個別法とは
先入先出法とは
【EX】
2月18日 机 20個 10,000円/個 計200,000円で購入
7月5日 机 10個 11,000円/個 計110,000円で購入
8月1日 机 5個 9,000円/個 計45,000円で購入
10月31日 机 10個 12,000円/個 計120,000円で購入
12月31日までに机を25個販売し在庫は20個。
先に仕入れた物を先に販売したと仮定して計算すると
7月5日 机 5個 11,000円/個 計55,000円で購入
8月1日 机 5個 9,000円/個 計45,000円で購入
10月31日 机 10個 12,000円/個 計120,000円で購入
上記の20個が在庫として残っていることになりますので、 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 220,000円が期末の棚卸評価額 となります。
総平均法とは
【EX】前期からの繰越がないものとする
2月18日 机 20個 10,000円/個 計200,000円で購入
7月5日 机 10個 11,000円/個 計110,000円で購入
8月1日 机 5個 9,000円/個 計45,000円で購入
10月31日 机 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 10個 12,000円/個 計120,000円で購入
12月31日までに机を25個販売し在庫は20個。
総仕入金額は475,000円、総購入個数は45個。475,000円÷45個⁼10,555円/個となります。在庫数が20個ですので10,555円×20個= 232,210円となりこれが棚卸評価額 となります。
移動平均法とは
【EX】前期からの繰越がないものとする
2月18日 机 20個 10,000円/個 計200,000円で購入・・・10,000円/個
7月5日 机 10個 11,000円/個 計110,000円で購入・・・10,333円/個
8月1日 机 5個 9,000円/個 計45,000円で購入・・・10,142円/個
10月2日 10個販売
10月31日 机 移動平均法による評価方法をわかりやすく解説 10個 12,000円/個 計120,000円で購入・・・10,672円/個
※(10,142円×25個(残数)+12,000円×10個)÷35個=10,672円/個
11月11日 15個販売
移動平均単価10,672円×20個= 213,440円となりこれが棚卸評価額 となります。
売価還元法とは
低価法とは
製品などの資産の取得原価で評価する 原価法による評価額と期末時価のどちらか低い方 をとる方法です。
また、どの評価方法を採用するか税務署に届け出る必要がありますが、届け出をしない場合は最終仕入原価法を採用することになります。
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