外為オプション取引

利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは

利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

戦略法務とは?予防法務や臨床法務との違いから具体例、必要なスキルを解説

デジタル活用を前提とした業務変革により、効率化はもちろん、属人化の解消、再現性の向上といった効果が得られます。戦略法務を実現する上ではこれらが実現できていることが必要になるため、法務のDXと戦略法務という考え方とは相性が良い、というのが理由の一つですが、テクノロジーの進歩、スタートアップ企業や新規事業を通じた未知のビジネス領域の開拓、さらに新型コロナウイルスの影響もあり、複雑で予想の難しいビジネス環境において、戦略法務という機能のニーズが高まっていることも無視できません。

本記事では、「戦略法務」というキーワードについて、従来からあった「予防法務」「臨床法務」との違いや具体例、企業において実現するために必要な要素を紹介します。戦略法務とは何かを知り、どう向き合えばいいのか、実現するためには何が必要なのかについて、参考にしていただければ幸いです。

戦略法務とは?

「戦略法務」という言葉をここでは、「法律知識やスキルを経営戦略に反映し、効率化や利益向上を実現すること」または「経営問題と密接に関わる法務問題について、経営戦略として良い打ち手を実現するために法務問題を検討・構築・処理し、法務リスクのみの観点から離れて最適解を目指す試み」と定義します。

いずれにしろ、企業の主たる目的の一つである株主価値の向上に法務面でどんなアプローチができるかがカギになります。もちろん「戦略法務」という言葉自体に厳密な定義があるわけではありません。法務部門が企業の経営レベルの意思決定に関わったり、法務スキルを使って企業価値最大化に貢献する活動を総称したものといえます。

リスクをチェックしたり対応することはもちろん必要ですが、経営に先回りしてリスクを探り対策を講じること法務部門以外の部署でもリスク対応ができるように整備すること良い経営判断を後押しすることなど、戦略法務において行われることはさまざまです。

予防法務や臨床法務との違い

予防法務とは?

  • コンプライアンス遵守状況のチェック
  • 契約書の作成、レビュー、交渉、締結、管理
  • 損害賠償など、契約において発生するリスクの特定や対処方法の検討
  • 株主総会対策
  • 社内規定整備
  • 労働問題や労務管理
  • 知的財産管理
  • 情報漏えい対策
  • 許認可や業法、業界の規制対策

臨床法務とは?

臨床法務とは、倒産処理や訴訟対応、クレーム対応など、発生したトラブルを直接解決する法務を指します。実際に起きてしまったことに対応するという性質から、予防法務に対して臨床法務と呼ばれています。

  • 損害賠償の請求~和解交渉
  • 訴訟への対応
  • 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは
  • 債権回収や財産の保全(仮処分や仮差押えなど)
  • クレームやトラブルの対応
  • 社員や役員の不祥事への対応

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戦略法務の具体例

新規取引・新規事業におけるリスク検討・実現手段の考案

内容は予防法務に近いですが、現在の事業環境や経営戦略から先回りして動くことで迅速な意思決定をサポートできるため、戦略法務的な性格が強くなります。また、競合や顧客はもちろん、行政との関係づくりや働きかけが必要となる場合もあります。最近では、規制のサンドボックス制度等の活用により、法規制との衝突でこれまで「市場がない」と思われていた領域にビジネスチャンスを見出す例も見受けられるようになっています。

知的財産の戦略的な活用

海外展開のサポート

M&Aのサポート

戦略法務実現のために持っておきたい3つの組織スキル

このように「戦略法務」自体に明確な線引きはありません。予防法務や臨床法務に比較しても必要なリソースの把握は難しくなります。ただ、一つだけいえるのはこれからのビジネス環境では戦略法務的な機能の重要性は高まるということです。

契約関連業務における属人化の解消、業務標準化ができている

法務部門の業務で大半を占めるのが契約書作成やレビュー業務です。特定の人でないと対応できなかったり、対応する人によって成果にバラつきがある状態を改善することで、戦略法務への下地ができます。

事業部門との連携、信頼関係ができている

相手の部署があってのことなので、短期的な実現は難しく、平時からの準備や信頼関係の構築が重要ですが、この信頼関係こそが戦略法務の実現において重要な要素となります。

DX視点での業務の設計、プロセスの見直しができている

短期的なメリットとしては効率化が中心ですが、デジタル活用による定量化や可視化、場所やスペースを問わないといった特性は戦略法務実現のためのリソースの確保において必須になります。

「戦略法務」という言葉の紹介から具体例、企業がこれを実現するために必要な要素を紹介しました。3つの必要な要素を総合すると「予防法務が高いレベルで実現できている」ことともいえます。

その反面、従来からある予防法務はノウハウが確立されています。まず予防法務が高いレベルで実現でき、経営陣や事業部門との信頼関係ができていることが戦略法務の実現にとって重要になります。

利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは

学位授与会場での学長、研究科長との記念撮影(本人中央)


学位授与会場での学長、研究科長との記念撮影(本人中央)

優秀論文としての推薦理由

マーケティング研究において近年、「エクスペリエンス」や「ブランド経験」について議論が活発になされ、尺度開発や他の尺度との関連が議論されてきた。しかしなじみの深い日用品での研究はほとんど見ることができなかった。著者はこうした研究の陥穽に着目した。
著者は尺度開発にあたり、周到に準備を行っている。まず、網羅的に先行研究をレビューし、そこから問題意識を絞り込み、リサーチクエスチョンと仮説を設定した。次に質的なインタビューを実行して、GTA(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)分析を手間をかけて実施してまとめた。第二のステップとして、尺度項目の候補となる言明を選び出し、それらを消費者テストによって評定した。第三ステップとして候補として選ばれた項目を第一次、第二次のふたつの消費者調査にかけて、最終的にはSEM(共分散構造分析)によって最終的な項目を確定させた。尺度の信頼性と妥当性の検討もなされている。
総じていえば、著者は決められた尺度づくりのステップを踏みながら、多くのデータを扱い、それらを丹念により分け、信頼性と妥当性を有した尺度づくりに成功している。また、このブランド経験尺度の日本語版では、ブランドロイヤルティなど他の尺度との関連性も検証している。こうして完成した尺度は、研究上の大きな前進となっているだけでなく、実務の上でも役立つ尺度となっている。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「ミドルによる環境認識パラダイムの再構築―資源動員の創造的正当性の獲得による創発戦略―」(戦略分野)柴本 祥之
(キーワード:ミドル、イノベーション、資源動員の創造的正当化、環境認識パラダイム、創発的戦略)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

本研究では、豊かな経験をもつミドルの推進者が業界の定説を乗り越え、イノベーションを起こした製品開発事例を時間展開に沿って紐解いた。事例の分析に基づき、ミドルの推進者が資源動員の創造的正当化を実現し、事業化後のコンフリクトを軽減させ、創発的戦略を生み出すメカニズムを明らかにした。
イノベーションの推進者は変革へのグランドデザイン、すなわち理想のゴールと手段を判断の軸にして、補完関係にある理由・技術と支持者・資源のバランスをとり続けていた。その過程で、開発された技術が次なる正当化の題材となり、さらに資源動員が進む「資源動員の正当化スパイラル」を実現していた。本研究では、こうしたミドルによるイノベーション実現への企てを「理由と支持者のファインチューニング」として概念化し、その理論モデルを提示している。事例で示したミドルの取り組みは、社内外から広く支持者を獲得し、企業がもつ定説を変え、企業の環境認識パラダイムを再構築する可能性すら有している。
本研究の貢献は、現代におけるイノベーションを起こすミドルの役割についてあらためて論証した点にある。これは研究者と実務家の双方にとって意義があると考えられる。

優秀論文としての推薦理由

柴本氏は、ミドル・マネージャーが開発活動を主導してイノベーションと創発的な戦略形成を実現する可能性があるのではないか、という問題意識を立て、実証研究に取り組んだ。戦略形成や組織変革にミドル・マネージャーが重要な役割を果たすことは、これまでの研究でも示されてきた。だが、それを事例研究によって実証的に検証した問題意識が、まず評価に値する。
つぎに、この問題意識に答えるために関連文献を検討した上で、自社の事例を調査し、記述した。対象事例の調査の綿密さ、記述の詳細さは特筆に値する。問題意識に答える上で相応しい事例を選定し、それを魅力的かつ丁寧な事例の記述にまとめた点も評価に値する。 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは
さらに、事例の解釈を通じ、新規性が高いプロジェクトの実現にミドル・マネージャーが果たした役割を明らかにし、問題意識に答えた。考察の結果、ミドル・マネージャーの役割を検証し、イノベーションにおける資源動員に関して新しい主張をしている。実務経験が長く、豊富な知識を持ち、社内外の人的ネットワークを活用できるミドル・マネージャーは、イノベーションに必要な資源の動員に成功する。加えて、こうしたミドル・マネージャーによる取り組みは資源動員に伴うコンフリクトの発生を抑え、開発活動に続く事業化局面へとスムーズに導く可能性を持っている。その際、ミドル・マネージャーに求められるのは「理由と支持者のファインチューニング」であるとする。ミドル・マネージャーの役割、イノベーションのための資源動員の議論を補完し、イノベーションの実現において鍵となる魅力的な概念を提示していることも、評価に値する。
以上のように、明確な問題意識、詳細で丁寧な事例記述、事例解釈に基づく学術的に新規な主張と言った点で、論文Aの評価基準を高い水準で満たしている。これらを総合的に判断し、柴本氏の論文を優秀論文として推薦する。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「管理職にならなくても意欲的に働き続けられる要因」(人的資源管理分野)池田 裕昭
(キーワード:昇進、非管理職、キャリア・プラトー、ワーク・モチベーション、マネジメント)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

優秀論文としての推薦理由

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「質的調査法としてのコグニティブ・インタビュー手法の開発 ―カスタマージャーニーへの応用―」(マーケティング分野)石躍 有美
(キーワード:コグニティブ・インタビュー、質的調査法、カスタマージャーニー、半構造化インタビュー、顧客経験情報の網羅性)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

本論文の目的は、コグニティブ・インタビュー(CI)という質的調査の開発を行うことである。 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは
カスタマージャーニーというテーマを用いて、CIの方が、従来の質的調査手法である半構造化インタビューよりも優れていることを示すことを目指している。
CIとは、自由な語り(フリーレポート)を前提とし、特徴となる悉皆報告と逆向再生を含む4つのアプローチをもとに被験者の記憶をより正確するにすることを目指す手法である。
本研究では、すでにCIを用いている企業へのインタビューを実施。次に、デプス・インタビューの形式において、半構造化インタビューとCIの手法2つを用いて、インタビューを行い、得られたデータを比較、分析した。その上で、カスタマージャーニーを描き出すには、半構造化インタビューよりも、CIの方が、顧客経験情報の網羅性という点で、より明確に描くことに適していることがわかった。
本研究の結果から、実務においてコグニティブ・インタビューを用いることによってカスタマージャーニーのような顧客行動の全体的構造(行動・思考・感情・タッチポイント)を把握して、より有効なマーケティングアクションにつなげていける可能性が見いだされた。

優秀論文としての推薦理由

市場調査における質的調査は、長年グループインタビューなど特定の技法は用いられてきたものの、新しい技法への挑戦はまれであった。著者(石躍さん)は長年質的調査を手掛けてきたが、こうした現状に飽き足らず、新しい質的調査技法を開発することにした。
著者が注目したのは、欧州において開発されたコグニティブ・インタビュー(CI)という手法である。これはもともと犯罪捜査に用いられてきた技法を市場調査に転用したものである。日本でもこの技法に着目した研究者がいなかったわけではないが、従来の手法と比較したうえでのCIの優位性を明らかにすることはなされてこなかった。
本論文を推薦する理由は以下のように要約できる:
1)新しい質的調査技法の具体的な手順や考え方を自ら開発して実地に応用できる技法として提示したこと。
2)「カスタマージャーニー」という現在多く応用されている調査テーマに応用可能であり、また従来の半構造化インタビューよりも有用なデータが得られることを示した点。
3)特に、CIが情報量や内容の詳細さ、感情表現の違いなどの点で、市場調査上より有用なデータをもたらすことを発見した点。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

1)実務に使え、応用できるような新しい技法開発にチャレンジすることも論文の役割であることを示したこと。
2)幅広く市場調査の現状を踏まえて、何が実務にとって必要な新しい知識かを探求したこと。
3)実証的に従来技法と比較して、新技法の優位性を実証的に示したこと。

「経営戦略と人事評価制度の関係性の研究」(戦略分野)小俵 猛嗣
(戦略的人的資源管理、人事評価制度、信頼関係構築、求める人材像、フランチャイズビジネス)

「学位授与会場で研究科長との記念撮影(本人左)」


「学位授与会場で研究科長との記念撮影(本人左)」

本研究はフランチャイズビジネスA社における、人事評価制度改定が及ぼした意図せざる負の影響について、戦略的人的資源管理論の先行研究を踏まえ、分析・考察した。
A社の経営戦略上、加盟店との信頼関係は最も重要な要素である。その為、従来、経営相談員の人事評価制度は、加盟店との信頼構築のプロセス、及びその結果の加盟店業績により評価付けするものであった。新たな人事評価制度は、より強固に信頼関係を構築できる経営相談員を育成する為、「求める人材像」の実現度を測る上長評価と、加盟店業績による評価付けに変更した。
しかしこの改定が経営相談員には、加盟店との信頼関係の構築プロセスは評価対象外であり、かつ業績結果が人事評価であると誤解された為、状況により加盟店との信頼関係に対し負の行動に出る可能性があると調査で解明された。そしてこの行動変化が、加盟店との信頼関係を低下させる一因であることが確認された。
人事評価制度は経営戦略との一貫性だけでなく、評価される側の受け止め方や行動変化も踏まえることが必要であると明らかにしたことが、本研究の貢献と考える。

優秀論文としての推薦理由

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「医療用医薬品のイノベーションの普及に関する研究」(マーケティング分野)平良 典靖
(キーワード:イノベーション、普及研究、製薬会社、新薬マーケティング)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

本論文の目的は、医師のカテゴリの違いが、新薬発売初期における採用速度に与える影響について解明することである。
新薬が実臨床で普及するまでに長い期間を要することがある。この期間を短縮し、新薬をいち早く患者へ届けることは、製薬会社の重要な責務である。本研究により新薬マーケティングの適正化に繋がることが期待される。
本研究では、新薬の採用時期と医師の特徴の相関ついて解析を行った。また、得られた結果に関して、製品を開発した製薬会社の社員に対しインタビュー調査を行い、結果の考察を行った。海外で多くの先行研究が行われている一方で、日本では同様の先行研究の報告はなく、大変貴重な解析研究である。
従来、製薬会社のマーケティングの基本戦略は「経験年数の長く」「大学病院に所属する」「専門性の高い」医師を重点ターゲットとしており、イノベーションの普及の起点として設定することが常識とされていた。しかし、本結果からそれらは適切ではない可能性が示唆された。疾患の背景および製品の特性を正しく理解し、医師の診療行動を想定した上で、マーケティング戦略を立てる必要がある。

優秀論文としての推薦理由

イノベーションの普及という分野ではE.ロジャースの業績がよく知られているものの、果たしてロジャースが定式化した普及のパターンが他の分野に当てはまるかどうかについて様々な議論があった。本論文の著者は高度な医療についてロジャースの理論があてはまるかどうかを検証しようとした。
著者が分析に用いたデータは、ある疾患の治療薬に関するドクターが採用した時期を特定したデータである。このようなデータが入手できることはまれであるので、こうしたデータを研究に活用することができたこと自体が貴重であった。
著者はまずロジャースに従って、より医師の経験年数が長いほど、また、専門性が高いドクターほど、さらに、より専門的な病院に勤務するドクターほど、採用が早いのではないかと仮説を立てた。その結果は非常に興味深いものであった。著者が立てた仮説はことごとく退けられ、むしろ専門性が低く、経験年数が短い医師ほど採用が早かったのである。 製薬会社に勤務する著者にとってもこれは意外な結果であった。著者はこうした結果を得るだけに満足せず、その理由を探るために質的な調査を実行して、その理由を突き止めようとした。総じていえば、本論文は医学・薬学の常識に挑戦した研究であり、重要な研究上また実務的なインプリケーションを秘めている論文であると言える。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「「コト医療」に向けた場づくりの研究と実践-アクションリサーチによる関係性の変化を考察する 医療法人尚寿会の事例-」(戦略分野)中村 香
(キーワード:現象学、心理的安全性、関係性、場づくり、組織文化改革)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

本研究の目的は、現象学、場の理論モデル、心理的安全性の概念を通して介護現場で「場づくり」を行い、「関係性」の改善を試みることによって、法人の価値観である「コト医療」に向けた組織文化改革のプロセスを明らかにすることを目指した。職員満足度調査のアンケート(定量調査)によっても明らかにならなかった職員の不満足の真因を紐解くため、介護現場にてアクションリサーチ(定性調査)をおこなった。
「場づくり」による関係性は、対話、共同、実践、内省によって変化(改善)し、共感、本質直感、判断停止によって促進された。「場」になるためには、生活世界の認識、心理的安全な場、組織のよい文化を活かす、共通善の追求を前提としていることが理論を紐づけることにより明らかになった。
本研究の実務上の貢献は、組織の問題の背景に関係性不全がみられることを明らかにし、関係性不全の改善後にみられる「コト医療」に向けた「場づくり」のプロセス(組織文化改革)を示したことにある。「場づくり」は、リーダーのみならず誰もが実践でき、組織の問題解決だけでなく組織の創造性を高め、イノベーションの促進に貢献できると考える。

優秀論文としての推薦理由

本研究は、筆者が勤務する医療法人における「コト医療」と同団体がよぶビジョンの浸透に向けての現状と課題について検討した論文である。複数の職場における参与観察と協働を組み合わせたアクションリサーチの手法を用いて、詳細かつ丁寧な一次データの収集を行った意欲的な論文である。本研究では、すでに実施された従業員満足度調査などのアンケートや、職員にたいする個別面談によって明らかになった具体的な課題について、筆者が現場に入り込み、その真因を探索するという仮説導出型の研究である。
筆者は、さまざまな人事制度の変更等の施策を打っても改善しなかった職場に対する不満(それに伴う退職者の増加)の原因は、患者と職員、職員同士、職員と組織における信頼関係の欠如にあり、その背景には、患者も職員も「大切にされていない、守られていない」という潜在的な不安、すなわち職場における「関係性不全」があったと結論づける。 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは 本研究は、限定された一組織の事例ではあるが、多くの組織における共通の課題と通底する現象をあぶりだしている。所属する組織が対象であるからこそ実現可能なアクションリサーチの手法を用いた丁寧かつ厚みのある事例記述により、現場の実態と、その背後に潜む顕在していない不満や不安に深く切り込むものであり、自身の設定した仮説に対しても妥当な結論を導いている。実務的な含意(提言)とともに、実務家ならではの優れた事例研究であると評価できる。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「ブランドのエシカル属性が価格プレミアムに与える影響~SDGs時代における新製品開発マーケティングの活用に向けて~」」(マーケティング分野)松尾 大佑
(エシカル、価格プレミアム、フェアトレード、エコラベル、ヘドニック・アプローチ)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)


学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

優秀論文としての推薦理由

CBSの成果として後輩の模範となる部分

<2021年9月修了生 優秀賞 2名>

「中層域のイノベーション不全―ソフトウェア開発企業の実態調査に基づく考察―」(戦略分野) 真野 謙一
(キーワード:ソフトウェア開発業、製品開発マネジメント、重層的な産業構造、組織の知識吸収ルーティン、探索と活用)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人右)

優秀論文としての推薦理由

現在、多くの企業が情報技術を活用して、業務の効率化のみならず、業務の革新を目指している。この状況下で、長らく企業の情報システム構築を支えてきた企業の役割は重要である。しかしながら、ソフトウェアを受託開発する企業、とくに受託開発を行いつつ、自らも独自の製品やサービスを展開する「中層域企業」の実態はこれまで明らかにされてこなかった。ここに研究課題を定め、探索的な実証研究を進めた問題意識の明確さが、まず評価に値する。
つぎに、多くの文献を批判的に検討し、ゲートキーパー、知識吸収能力、知識創造などの概念を選び取っている。その上で、これらに基づいて緻密な調査票を設計し、アンケート調査を実施している。さらに、アンケート調査で捉えた中層域企業の課題を、優れた仕組みを有する2社の事例研究を通じて深め、解決策を見出している。学問的な手法の妥当性も評価に値する。
第3に、実証研究の結果を検討し、知識吸収能力と、探索と活用の両立に関し、独自の主張を展開している。その結果、中層域企業に対する実践的含意はもちろん、学術的な知見においても、価値がある実証研究に仕上がっている。
以上のように、問題意識の意義と明確さ、研究方法の妥当性、実証研究から得た知見において、論文Aの審査基準を極めて高い水準で満たしている。したがって、真野氏の論文を優秀論文として推薦する。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

[事例分析(ケーススタディ)]

「地方企業の知識経営によるビジネス・モデルイノベーションの研究」(戦略分野)國保 博之
(キーワード:ビジネスモデル・イノベーション、SECIプロセス、フロネティックリーダー、顧客提供価値、地方の魅力・独自性)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人右)

本研究では、地方の厳しい経営環境においてビジネスモデル・イノベーションによって企業価値の向上に成功した地方企業3社(福岡・久原本家、新潟・八海醸造、新潟・スノーピーク)にフォーカスし、各社がビジネスモデル・イノベーションを成功させた要因について整理・分析、各社に共通する重要な取り組みを抽出し、知識創造理論に基づき考察することで、地方の中小企業が成長を遂げるための重要な要素に関する示唆を得ることを目的とした。
調査・分析の結果、以下の要素が重要であることを明らかにした。
① 自社のありたい姿や高い理想をミッション・ビジョンとして掲げ、進むべき方向性を示し、社内外における対話とミッション・ビジョンを実現するための実践が繰り返される仕組みが構築できるフロネティックリーダーの存在
② 市場や顧客との対話を通じて顧客提供価値を人々の根源的な価値まで掘り下げて認識し、顧客から深い共感を得ること
③ 地方がもつ魅力を自社の独自性、他社との差別化要因であると認識し、地方だからこそ獲得できる経営資源を競争優位につなげること
これらの要素は、異なる経営環境にある他の地方企業であっても適用できるものと考える。

優秀論文としての推薦理由

CBSの成果として後輩の模範となる部分

<2021年3月修了生 優秀賞 8名>

「大学教員の内発的モチベーションと情緒的組織コミットメントを促進する要因に関する研究」(人的資源管理分野) 杉田 美調
(キーワード:モチベーション、組織コミットメント、大学教員、大学経営、高等教育)

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

大学教員は大学経営にとって最重要の人的資源であるが、大学教員を人的資源管理の対象として捉え、そのモチベーションや組織コミットメントに着目した研究は、管見の限りではみられない。本研究は、これらの点について、大学教員を対象としたアンケート調査を実施し、それにより得られた167人のデータについて、Ryan & Deci(2000)や労働政策研究・研修機構(2012)の先行研究の理論を踏まえて分析し、明らかにすることを目的とした。その結果、大学教員の四つの活動(教育、研究、社会サービス、学内行政)の内発的モチベーションに対しては、先行研究とは異なり、いずれも当該活動の「有能さ」が共通の規定要因であること、また、情緒的組織コミットメントを促進する主要因が建学の理念やビジョンへの共感・浸透であること、研究に関する時間割合への不満が教育の内発的モチベーションを低下させること等が確認された。
本研究の学術的貢献は、高度に専門的、かつ指揮命令下で実施される一般的な職務にあてはめることが困難な職業人である大学教員の内発的モチベーション及び情緒的組織コミットメントの規定要因を明らかにしたこと、加えて実務面への示唆を得たことである。

優秀論文としての推薦理由

本論文は,先行研究が少ない大学教員を人的資源管理の対象と捉え、教員個々人の「内発的モチベーション」と「情緒的組織コミットメント」を規定する要因に関して、実証的に研究を行ったものである。
大学教員の業務の特徴の1つは「教育活動」「研究活動」「社会サービス活動」「学内行政活動」に大別できる複数の、相互に独立する業務を自らの裁量で行っていることにある。このような特性を踏まえつつ、仮説を設定し、大学教員個人を対象としたアンケート調査 を実施して検証を行った。アンケート調査から得られた有効回答167人を分析することで実証した仮説は,つぎの5つである。
仮説1:大学教員の「有能さ」、「自律性」、「関係性」が高まると、内発的モチベーションが高くなり、このうち「自律性」が大学教員の内発的モチベーションを高める主要因である。 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは
仮説2:大学教員の情緒的組織コミットメントを高める要因は,「意義」(仕事内容が組織に貢献する有意義なものであるといった個人の知覚)、「経営者への信頼」(経営陣の行いが倫理的に正しいことが成員に信望されている状態)、「教育・研修」(職務に必要な研修や個人のキャリアプランに役立つ教育が受けられる機会),さらに所属する大学の建学の理念やビジョンであり,これらのなかで情緒的組織コミットメントを高める主要因は活動の「意義」である。
仮説3:大学教員の活動時間の配分割合やワークライフバランスへの不満が高まると、内発的モチベーションと情緒的組織コミットメントが低下する。
仮説4,仮説5:内発的モチベーションと情緒的組織コミットメントは相互規定関係にある。
研究成果は,人的資源管理研究としての観点からも、 大学経営における人材マネジメントの実務的な観点からも有益なものである。また,問題関心も明確で,先行研究のレビューや仮説設定,さらには個人調査の方法や分析方法なども手堅く,優秀論文に値すると判断した。

CBSの成果として後輩の模範となる部分

「ビジネス・フォーマット型フランチャイズにおけるフランチャイズ本部と加盟店の信頼関係の構築について」(戦略分野)野村 真康
(キーワード:特定連鎖化事業(フランチャンズ・ビジネス)、信頼関係構築、収益性(経済的責任)、約束事に対する結果責任、倫理性(利他主義的行動))

学位授与会場での研究科長との記念撮影(本人左)

本研究は、特定連鎖事業(フランチャイズ)の持続的成長を図る上で重要なfranchiser(本部)とfranchisee(加盟店)との間の持続的関係について、コンビニエンスストア業界のA社の加盟店満足度調査のデータをもとに、信頼関係構築における決定要因及び信頼関係構築に至るプロセスについて分析・考察を行ったものである。
分析の結果、信頼関係を構築する決定要因は「収益性(経済的責任)」「約束事に対する結果責任」「倫理性(利他主義的行動)」だと解明された。信頼関係構築に至るプロセスは、本部が加盟者に対して、ある一定水準の「収益性」を確保し、経済的責任を果たすことから始まる。その上で「個人では調達し切れない生産有用性を実現できるインフラの提供(約束事に対する結果責任)」という加盟者の期待に応え、本部は加盟店と共通認識(加盟者の暗黙知である経営ビジョンを理解)をもち、「利他主義的行動」による支援を行うことで、強固な信頼関係が構築される。そのことから、信頼関係構築における決定要因は「二層構造」であることが解明された。
本研究はフランチャイズビジネスを通して「信頼」という無形価値を継続的に構築することの重要性を示し、本部と加盟店の信頼関係構築に寄与するものだと考える。

優秀論文としての推薦理由

「信頼」は組織内及び組織間関係の基盤となり、組織の成果に大きな影響を与えるものであるが、特に本部と独立事業主である加盟者との間の持続的関係がビジネスの成否の鍵となるフランチャイズビジネスにおいては、本部と加盟者間の信頼は重要な経営資源ともいえる。なかでもコンビニエンスビジネスにとっては加盟者の本部に対する信頼のゆらぎが昨今大きく取りざたされ、本部の企業価値を大きく棄損する 事態にも至っている。その意味で、 本研究は大きな意義を持つものである。
フランチャイズビジネスの本部と加盟者間の信頼関係構築における決定要因及び構築プロセスについての議論は、既存研究であまり語られてこなかった領域である。丁寧な先行研究レビューから信頼関係構築に影響を与える要因に関する仮説を導出し、それを豊かな一次データにより実証した点が本論文の第一の貢献である。
さらに、「収益性」は信頼関係構築に影響はするが、その影響は一律ではなく、一定水準を超えると収益性は信頼関係構築にそれほど影響しないということを明らかにしたことが第二の貢献である。一定水準の収益性を確保したうえで、本部が加盟者に約束したことの実現と本部の加盟者に対する利他的行動を高めることが信頼関係構築につながるという本論文が提示したモデルは、学術的新規性のみならず、実務的貢献も大きい。
また、実際に信頼関係を構築するために、加盟者との接点である経営指導担当が果たす役割について一次データから明らかにし、本部が加盟店からの信頼を得るためにどのようなアクションが必要であるかについての示唆を得たことが、第三の貢献である。

担当者が必ず読むべき「DtoC」の解説と成功・失敗事例

DtoCのアメリカの成功事例「Glossier(グロッシアー)」!月間140万人が訪れるコスメブログが熱狂的なファンを囲い込む!

日本ではなじみのないメーカーですが、ニューヨーク発のコスメブランドの「Glossier(グロッシアー)」はDtoCの成功事例としては有名です。

Glossierの創業者兼CEOのエミリーワイズ氏はもともとはファッション誌のVOGUE社にスタイリングアシスタントとして勤務した経験があり、その経験をもとに 2010年から下記の ファッションブログ を運営し、月間140万人が訪れる大人気ブログ になりました。

このブログでユーザーと意見を交わすうちに「ユーザーの意見を取り入れた、コスメブランドを立ち上げたい!」と思い、エミリーワイズ氏はGlossierを2014年に起業し、米国のコスメ市場で急成長を遂げるにいたりました。

ブランドを短期間で作ることができたのは、 ブログの熱狂的ファンのコミュニティ がいたことです。 下記のグラフを ご覧ください。

◆Glossierのブログからサービスサイトへのトラフィックの流れ

創業からたった4年でアメリカのコスメ市場に影響をあたえるほどの成長ができた最大の理由は、コスメ好きの熱狂的ファンをブログで囲っていたためです。2014年の創業とともに、ブログユーザーがサービスサイトにも訪れ、爆発的な集客を可能にしていたのです。

さらに、 ブログ経由のユーザーの方が、ブログを経由していないユーザーより購入率が40%も高い ことがわかりました。これは単にブログで100万人以上のユーザーを集めているのではなく、”コスメ好き”の見込客の囲い込みに成功していることがわかります。

「インスタ映え」しやすい仕掛けとInstagramの徹底活用

Glossierはブログだけではなく、 Instagramを徹底活用したマーケティングを仕掛けて成功 しています。GlossierのInstagramのフォロワーは1200万人を超えます。ではどのようにInstagramを活用して、フォロワーを増やしているのでしょうか?その一例を下記で紹介します。

◆GlossierのInstagramの仕掛け
①Glossierの製品にインスタ映えしたくなるステッカーを同梱
②ユーザーがそのステッカーを使って、Glossierのタグ(もしくは製品のタグ)をつけてInstagramに投稿
③GlossierのInstagramアカウントがユーザーのInstagramをリポストしてユーザーが大満足
④他のフォロワーもそれを見て、Glossier製品での投稿をする

◆Glossierの製品「BODY HERO」のステッカーでInstagramしたユーザーの投稿をGlossierアカウントでリポストしたもの

このような「インスタ映え」しやすい仕掛けをつくり、Glossierはフォロワーを1200万人まで増やしております。ブログを合わせてInstagramとこれだけの影響力を持っていれば、テレビCMなどにかける広告費用は必要ありません。

しかし、 忘れてはいけないのが、Glossierの商品自体が優れている点 です。ユーザーの意見を徹底的に取り入れ 研究開発してきた商品 であることです。単にブログとSNSのマーケーティングを追及したものではありませんし、商品が支持されないと、ブログもInstagramも拡散することはありません。

このように、DtoCにおいては、店舗や小売りに頼らずにブランドを確立していくことが重要であり、そのためにはユーザーから支持されるブランド力と、自分達が主体的に行う集客が欠かすことはできません。

DtoCのビジネスモデルが小売業に必要になる3つの背景とは?

背景①Amazon!ユーザーの52%はAmazon検索から商品検索をスタート

このようなDtoCモデルが必要になる背景の一つは、SNSによってメーカー自身が消費者にコミュニケーションをとることが可能になったことですが、もう 一つ大きな要因はAmazonの存在 です。アメリカのデータとなりますが、2016年時点でネット通販にて商品を購入する人の 52%がAmazon で検索をはじめるデータがあります。

◆「ネットでの商品購入時、どこから検索を始めるか?」の調査結果でAmazonが1位

今後も消費者がAmazonで商品購入をする流れは続くでしょう。 メーカーにとってみればこれは大問題 です。今後インターネットで商品を売るにも Amazonを頼らなければなりません し、Amazonに出店すると、Amazon内の競合他社が多く、価格競争にならざるを得ません。メーカーの利益に多大な影響を与えてしまうからです。

そうならないためにも、 自社でファンを囲い、自社のECサイトで購入させる販売チャネルを作らなければ、企業の存続も危うくなる可能性 もあるからなのです。

背景②クラウドサービスの普及によりECサイト構築の敷居が下がった!

BASEやSTORESなどのクラウドサービスを利用すれば、最短数分でECサイトを開設することも可能であり、資金力が小さいスタートアップ企業であってもEC市場に参入しやすくなったのです。

また、 カスタマイズが必要な中・大規模の小売事業者 であっても、カスタマイズが可能なクラウドECプラットフォーム※があり、 大手に求められる高いセキュリティー基準もクラウド上で保つことができます。

クラウドサービスのメリットは自社に必要とするだけのIT資源をすぐに利用できます。そのため通常のスクラッチによる開発より、早く・低価格でECサイトを構築することができるようになったために、企業規模に関わらず、DtoCに参入しやすい土壌が広まってきたのです。

背景③コロナ禍の時代!販売店不振が続く

さらに追い打ちをかけたのが、2020年に世界中で流行した新型コロナウイルスです。下記をご覧ください。

◆2020年3月の米小売業の売上高(季節調整値)

このデータはアメリカ商務省の2020年3月(対2019年12月)のデータですがほどんどの小売業者が売上を落としておりますが、その中で 「オンライン販売(無店舗小売)」が顕著に売り上げを伸ばしている のがわかります。

また、コロナ禍により 都心部を中心にテレワークが普及したことにより、自宅でおしゃれをする必要もなくなり、小売りでは化粧品・アパレル業界が大きく痛手 を被っております。

下記をご覧ください。株式会社STANDING OVATIONが2020年の春夏に実施した調査ですが、ですが、 店舗よりもネットでファッションアイテムを買う方が多かったという調査結果 になっております。

このように店舗の売り上げがメインだったアパレル各社も、DtoCやショッピングモール参加によるネット販売を強化 せざるを得ない状況なのです。

DtoCの失敗事例「商品力がなく、誰も売れないと思いながらも会社の方針なので、仕方なくECサイトをリリースした体験談」

筆者自身も、今から9年以上前ですが過去に所属した会社でDtoCを任されて失敗した経験があります。経営幹部が、 海外で買収してきた企業の商品を日本でECサイトを作り販売する方針 を決意し、その担当に私がアサインされました。

しかし、商品を見て愕然としました、海外ユーザーには受け入れられるものの、 商品の機能やコンセプトが全く日本人に合わないもの でした。しかし、経営幹部の方針に変更はないため、私は「こんなもの誰が買うんだ?」と思いながらも、ECサイトを作り、プロモーション用のランディングページをメンバーやWEBコンサルティングの会社とともにプロジェクトを進めました。

結果、半年以上の期間、数千万円をかけてECサイトをリリースしましたが、月間に10件も販売することができず大失敗で終わりました。この時の 敗因は3つある と筆者は振り返ります。

◆DtoCが失敗した2つの要因
①商品力の欠如
②他力本願だったEC担当者
③ノウハウの欠如

第一の要因は商品力です。経営トップがある日突然買収した海外の企業の商品を売らなくてならない!という前提がありきでした。 日本人に受け入れられるかどうか?という判断もなく、そのまま日本市場に持ってきました。

アメ車が日本で成功していないように、国が異なれば、商品もその国で受け入れられるようにコンセプトや機能の修正が必要です。しかし、商品ありきでの日本でのローンチが決定しておりました。

商品力がないにも関わらず、ECサイトを展開することの最大のデメリットは、EC担当者やプロジェクトメンバーのモチベーションが下がることです。 経営トップ から言われたことなので動かないといけませんが、担当者達は「誰がこんな商品を買うのか?」という疑問を持ちながら仕事せざるを得ません。当時の私はプロジェクトに対して後ろ向きな気持ちになっていたことを思い出します。

そうなると EC担当者だった私も他力本願(第2の失敗要因)な仕事 になってしまい、WEBコンサルティングの会社にプロモーションを任せましたが、 WEBコンサルティングの会社もプロモーションは他の会社に丸投げする など、プロジェクトの誰もが本気ではありませんでした。

また、 第 3 の失敗要因として挙げられるのは「ノウハウの欠如」 です。筆者自身も当時はWEBマーケティングの経験の浅さかった面があり、さらに、それを補うための外部のコンサルタントでさえも、今考えると勝つための戦略を持っていたとは言い難い面があります。

「リスティング広告でガンガンCVをとりましょう!」
「高速PDCAを回しませんか?」
「広告代理店に社長直下のスペシャルチームを用意してもらいました!」

という耳障りだけは良い言葉で、まったく成果につながらないものでした。ありきたりなWEB施策ばかりで、とても新規事業でポジションを獲得したり、ブランドを確立できるようなものではなかったです。

その結果、ほとんど売れないECサイトがリリースされ、経営幹部の誰もがこの部門を議題に上げないようになり、その後、EC部門はお荷物部門に成り下がりました。このようなことは私にだけ起こった特殊なケースだと思いません。日本企業がよく陥るケーススタディだと思います。

これからDtoCで成功するための日本企業の5つのポイント

それでは先ほどの事例も踏まえて、日本の企業がこれからECサイトでDtoCを成功させるためのポイントを5つ取り上げてまいります。

ポイント①自社の商品力

まずDtoCを検討する前に、 自社の商品について客観的に見てみる必要があるでしょう。 なぜなら先のGlossierの例でもわかるとおり、単にマーケティングで成功したわけではなく、 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは Glossierのコスメ商品自体がユーザーの意見を徹底的に取り入れた、ユーザーに支持された商品であったという点 です。

DtoCとは「Direct to Consumer」であり、企業がユーザーに直接販売チャンネルを持つことであり、そこには販売代理店のリコメンドや、優れた販売スタッフのセールストークは介在することがないため、問われるのは商品力です。逆説的に考えると、 圧倒的な商品やユニークな商品であれば、SNS時代の昨今、何もしなくても勝手にユーザーがSNSでリコメンド してくれます。

例えば、工事現場用ブランドのマキタのBlueToothスピーカーですが、本来ターゲットとしていた法人顧客ではなく 一般ユーザーのSNS上でよく話題に上がっています。 この話題はマキタ自身が狙ったものではなく、商品のレビュー記事がキッカケで、TwitterやWEBメディアで取り上げられた結果です。優れた商品はそれだけでマーケティングになり、プロモーションを必要としないケースがあるのです。

そう考えると、 企業のWEBマーケティングは、商品企画の段階から始まっており、商品企画とWEBマーケティングを分けて考えるのではなく、ユーザー視点から商品企画を練り込みことが必要 になってきます。

ポイント②自社のブランド力

おそらくこれからDtoCを目指す企業はブランド力が強い企業ばかりではないでしょう。DtoCで成功するためには、なぜブランド力が必要なのでしょうか?それはインターネット上でのユーザーの接触点に関係します。

例えば筆者が大好きなNIKEの「エア・ジョーダン」という靴のブランドを例にとります。筆者はエア・ジョーダンが大好きですから、スマホのGoogle検索やAmazonでの検索窓に「エア・ジョーダン」と入力して、NIKEが運営するECサイトにたどり着きます。 当たり前のユーザー行動ですが、これを前提にしているのが「エア・ジョーダン」のブランド力 です。

しかし、ブランド力がない企業が数千万円をかけて、オシャレで使いやすい最新のECサイトを作ったとします。 ECサイトを作っただけではブランド力がないため、誰も検索して訪れませんから、広告が必要になります。 そしてブランドを認知させるための広告費は安くはなく、テレビCMやYahooへの出稿など同様に数千万円が必要になります。

しかし、 これらの広告は費用の割に一過性になりがちで、継続してファンを囲い込むための施策にはなりません。 またリスティング広告なども、昨今、どのジャンルにおいても単価が高騰しており費用対効果が悪くなっておりますし、 リスティング広告はCVを生む広告ではありますが、そもそもファンを作る広告 ではありません。

ブランド力がない企業が、DtoCで成功させるためには「熱狂的なファン」を作っていく仕掛けが必要になります。それには、 一過性ではないブログやSNSを駆使したWEBマーケティング が必要になってくるのです。

ポイント③自社のWEBマーケティングノウハウ

予算が限られた中小規模の企業がDtoCを成功させるためには、ブログやSNSを駆使したWEBマーケティングで集客を成功させなくてはなりませんが、ほとんどの企業には経験のあるWEBマーケティングの担当者が不足しているのが現状です。

もちろんWEBマーケティング担当者を企業もアサインしますが、その多くが 社内の他部署で経験を積んだ社員であることが多く、WEBマーケティングの知識が豊富ではありません。 またWEBマーケティングスキルを持った人材は大手企業を目指したり、独立・起業することが多く、転職市場での採用は困難です。

そうなると、広告代理店にDtoCのWEBマーケティングを依頼することになりますが、メーカー側でもWEBマーケティングの経験がないと、広告代理店の選別がうまくいきませんし、 広告代理店の多くは仕事を受注するフェーズにはエースの人材を当てますが、受注後は新卒に近い社員が担当していることは珍しいことではなく、経験がないと、これを見破ることができないのです。

まして、SNSで見込客を増やしていくマーケティングや、ブログ集客はWEBマーケティングの中でも難易度が高く、それを ほぼ確実に成功させる優れた代理店など聞いたことがありません 。

ポイント④自社で顧客を囲い込む「定期販売」や「サブスクリプション」

実店舗であれば、リピーターが通勤や用事のついでに立ち寄り繰り返し購入されるという点がありますが、 ECサイトの場合はメルマガや広告配信によって、リピーターに繰り返し商品を購入してもらうのは結構大変 なことです。

しかし、ECに限らず商売で多くの利益をもたらしてくれるのはリピーターです。リピーターに限った法則ではありませんが、 パレートの法則にも全体の利益の8割をもたらすのは2割の顧客と提唱されて おり、リピーターの獲得こそ、ECサイトで最もマーケターが力を入れなくてはならないポイントなのです。

そのため、 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは DtoCではユーザーをより強力に囲い込むため に「定期販売」や「サブスクリプション」による販売形式が利用されます。

サブスクリプションと相性の良い「漫画や動画などのデジタルコンテンツ」がないと、サービス提供できないイメージがありますが、最近では毎月おすすめのコスメや食品を届けるサブスクリプションサービスが生まれてきております。

DtoCを取り組む企業担当者であれば、サブスクリプションや定期購入は絶対に押さえておきたいポイントなのです。

ポイント⑤ユーザーと向き合う覚悟

しかし、 DtoCをユーザーと直接「向かい合う場」 ととらえれば、サイト文言の一つ、サポート対応の全てにおいて手は抜けないはずです。DtoCでは、ユーザーと向き合う担当者の覚悟が求められているのです。

まとめ「DtoCの成功の鍵はEC担当者の本気度にかかっている!」

以上、アメリカのDtoCの成功事例から、筆者の失敗事例をおりまぜて、DtoCを日本で成功させるためのポイントを解説しました。アメリカではDtoCを成功させている企業の多くはスタートアップです。その理由は、創業が浅い企業には、まだ社内の制約が少ないため、SNSやブログを使って、ユーザーの体験を軸にWEBマーケティングを行いやすい体制があることです。

ある程度歴史がある日本企業がこれから、DtoCを成功させるのは容易ではありません。なぜならWEBマーケティングでの成功事例やノウハウがないので、その集客に誰もが手こずりますし、 日本企業では商品企画とマーケティングの部門が分けられていることが多く、別々に動いてもヒットが生まれにくい体制 だからです。

ですから、 DtoCを成功させるには、EC担当者の本気度が試されます。 広告代理店やコンサルまかせではなく、担当者自身が商品を熟知し、そして商品を使う顧客のフィードバックを受け取り、「自社の商品をどう改善すればいいのか?」といったDtoCの商品開発を自らリードしていかなくてはなりません。

そして、SNSやブログで集客を行うと決めたら、担当者自身でWEBマーケティングに関する情報を集め、自ら施策を実行していくことです。SNSやブログのマーケティングの基本は、ライティングや投稿テクニックよりも「お役立ち情報」です。つまりその分野においてユーザーが喜ぶ情報を発信し続けると、 利益最大化の鍵となる取引コストの特徴とは 自然とユーザーは集まりますが、キャンペーンやセールス情報だけ発信しても、ユーザーに支持されません。

これからDtoC-ECサイト構築やリニューアルを検討している企業、EC担当者の方は、カスタマイズ可能なクラウドコマースプラットフォームの「ebisumart」も、他社とあわせてご検討ください。

D2Cとは? 新時代のビジネスモデルを事例とともに紹介

D2C

eMarketerをもとに作成

D2Cの特徴

直接販売と直接コミュニケーション

LTV(顧客生涯価値)

売り物はライフスタイル

これまでの販売形態では商品そのものの”機能”を価値として提供していました。一方で、D2Cブランドは商品の機能に加え、商品の世界観や歴史、それに合わせたライフスタイルを提供しているという特徴があります。

顧客の捉え方

ミレニアル世代がターゲット

コンテンツマーケティング

D2C企業の成功事例

Glossier

Glossier

ニューヨーク発祥のコスメブランド「Glossier」。
Glossierは、VOUGE出身のエミリー・ワイスによって運営されていたInto The Glossという美容ブログから2014年に立ち上げられ、ユーザーの声を取り入れた製品作りを行っていることで有名です。

製品の質の高さもさることながら、シックでシンプルなパッケージにもこだわっており、SNS映えするとして人気を呼んでいます。また、「Skin first. Makeup second」を謳っており、メイクアップよりも肌質のことを考えた商品が特徴的です。それは、パラベンフリー・アルコールフリーといった有害な化学物質を含んでいないところにも表れており、こういった特徴が若い世代、特にミレニアム世代からの反響が高い理由だと考えられるでしょう。

THE 5TH

THE 5TH

一般的にECの最大のメリットといえば、年中無休で24時間いつもで好きなときに買い物ができることでしょう。それだけに、THE 5THの当初の販売スタイルは非常に奇異なものでした。というのも、THE 5THは毎月の5日間だけECを稼働させたからです。つまり、その5日間だけしか消費者はTHE 5THの商品を購入できなかったのです。
明らかにデメリットしかないように思われるこの施策ですが、実際はプラスに働いたようで、希少性があるということから話題を呼び、口コミから新たな顧客層を開拓していきました。(なお、現在はいつでも購入できるようになっています。)

DeFiとは? 利益を稼ぐ仕組みとメリット、デメリット

ブロックチェーンのイメージ

【銘柄例】Wrapped BTC(WBTC):ビットコインをイーサリアムで利用できる。プロダクトの1つであるBit Goがカストディ(主に金融・証券業界において有価証券等の保管・管理を行う業務のこと)としてビットコインを預かり、(ビットコインと1:1で交換できる)ERC20トークンを発行することで、ビットコインの資産性をイーサリアムでも利用できるようになる。デメリットは、中央集権型であるため、カウンターパーティーリスクを背負うことだ。COINPOSTによると、WBTCはDeFiトークンではあるが中央集権型に分類されている。

5.4. 主要DeFiトークン4:合成資産系

数は少ないが、合成資産系に分類される銘柄もある。代表的な銘柄のSynthetixは、イーサリアム上のDeFiで使われている合成資産である。sETHのsはSynthsを指し、sETHは合成イーサリアム、sBTCは合成ビットコインを表している。イーサリアム上で合成資産(Synthetic Assets)を発行するプロトコル(送受信の手順を定めた規格)の1つであるSynthetixが発行する合成資産Synthetic Assetsを略してSynthsと呼ぶ。sETHのsはSynthsを指し、sETHは合成イーサリアムであることを表している。

【銘柄例】Mirror Protocol(MIR):Synthetixと並ぶ合成資産の1つであるMirror Protocol(MIR)は、Terraで発行されるステーブルコインを担保として合成資産を発行できるプラットフォームである。価格等の情報を取得できれば、合成資産の価値が担保資産を上回らないことを条件に柔軟に商品開発できるメリットがある。MIR はMirror Protocolによって発行されるトークンである。

5.5. 主要DeFiトークン5:ステーブルコイン系

【銘柄例】Maker-Dai:米ドルにソフトベッグされた分散型仮想通貨である。簡単に生成、アクセスができるメリットがある。生成、購入、受領されたDaiは他の仮想通貨と同様に使うことが可能。他者への仮想通貨の送付、商品やサービスの決済にも使える。また、Makerプロトコルの機能を活用して貯蓄することもできる。

5.6. 主要DeFiトークン6:アグリゲーション系

【銘柄例】Yearn Finance(FYI):レンディング等のDeFiプロトコルの中から、最適なものへ資金を移動してくれるプロトコルである。DeFiのプロトコルは数が多く、最適なものを見つけ出すのは根気のいる作業になる。FYIではCompound、dydx、Aabe(一例)など最適なプロトコルに資金を移動させてくれるので、アグリゲーション(集約する)の定義に合ったサービスといえるだろう。FYIは、Yearn Financeが発行するトークンである。

5.7. 主要DeFiトークン7:オプション系

【銘柄例】Hegic:Opynと並ぶオプション取引のプラットフォームである。満期日や行使価格を柔軟に設定できるメリットがある。流動性提供者は双方向性プールにETHをデポジットし、オプションの売買に応じてプールが自動で相対取引に必要な原資を確保していく仕組みをとっている。HEGICは、Hegicが発行するトークンである。

5.8. 主要DeFiトークン8:レイヤー2系

【銘柄例】Loopling(LRC):イーサリアムのスマートコントラクトを利用した、分散型自動取引プロトコルである。分散型であるため、盗難などのカウンターパーティーリスクがないというメリットがある。ウォレットにある資産を他のウォレットに移さずに取引できるため、ウォレット間での送金費用を削減できる。LRCはLooplingが発行するトークンである。

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