FXスマホアプリ

為替への影響

為替への影響
ウクライナに侵攻したロシア。写真はキエフにおける爆発(写真:ZUMA Press/アフロ)

為替への影響

みなさん、こんにちは。
3月決算の繁忙期も一段落してきた寺田です。
今年は花粉症が厳しいと聞いていて、ここ数年で花粉症っぽい感じになりつつあった僕としては、戦々恐々としていたのですが、いつの間にか乗り切っていたようで、ちょっとホッとしていたりします。震災関連でバタバタとしていたら、いつの間にか花粉症の季節が終わっていたみたいです。。。
という訳で(!?)、今回のテーマは、「為替換算」を取り上げたいと思います。
「為替換算」に関しては、IAS第21号の「外国為替レート変動の影響 (The Effects of Changes in Foreign 為替への影響 Exchange Rates)」において、具体的に規定されています。日本では、「外貨建取引等会計処理基準」や「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」が、それに相当します。
単純に言ってしまえば、外貨建取引を円換算するだけの話しなので、本質的に両者の間に重要な差異はありません。
とは言え、主に以下の5点については、留意が必要であると思われます。
1.機能通貨(functional currency)
2.取引日レート(P/L項目)
3.期末の換算レート(B/S項目)
4.海外子会社のP/Lの換算
5.振当処理
1.機能通貨
IAS第21号では、機能通貨は、『企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨』と定義されています。これに対して、日本基準においては、機能通貨の適用について明示的な規定はありません(機能通貨の使用に類似する容認規定はあります)。
現在の日本における会計実務では、基本的に、海外子会社が所属する国の現地通貨ベースで財務諸表を作成し、当該財務諸表を基礎として連結財務諸表を作成しているケースが多いと思います。しかし、今後は、海外子会社の財務諸表を機能通貨ベースで作成する必要があります。従って、海外子会社の機能通貨が、現地通貨と異なる場合には、これまでの連結決算プロセスを変更する必要があるかも知れません。
具体的には、売上や仕入取引が現地通貨建てではなく、専ら「別の通貨」(例えば、USドルやユーロ)建てで行われている場合には、当該「別の通貨」が機能通貨と見なされることになります。一般的には、現地通貨=機能通貨である、ということが出来るケースが多いと思いますが、IFRS導入にあたっては、現地通貨と機能通貨が異なる事業体の有無については留意が必要です。
2.取引日レート(P/L項目)
親会社及び国内子会社は、期中に発生した外貨建て取引を円換算する必要があります。このような期中取引の換算に際しては、「取引日の為替レート」と「平均レート」の考え方が重要になってきます。
日本基準においては、「取引日の為替レート」と「平均レート」は並列的な取扱いとなっています。実務上は、「取引日の為替レート」の換算処理は極めて煩雑なので、一定の簡便的な「平均レート」を用いているケースが多いと思われます。
それに対して、IFRSにおいては、「取引日の為替レート」を用いるのが大原則です。但し、例外的に「取引の為替レート」に近似するレートの使用を容認しており、その例示として「平均レート」が挙げられています。
つまり、実務上は、日本基準においてもIFRS適用下においても、一定期間の「平均レート」に基づいて期中取引の換算を行うことが出来る点では大きな相違はありません。但し、既に述べたそもそもの「平均レート」の位置づけが違うことと、以下の2点については留意が必要です。
(1)IAS第21号では、「為替レートが著しく変動している場合」には、平均レートの使用ができない旨の規定があります。それに対して、日本基準にはそのような規定はありません。
(2)平均レートを算定する期間について、日本基準では取引日の前月又は前週の平均レートを使用することが出来る旨が明文化されている。
(1)については、「為替レートが著しく変動している場合」を具体的にどのように考えるかがポイントになります。これまでの日本基準において、当然の正しい換算レートとして「平均レート」を使用していたとしても、取引日レートを原則としているIFRSにおいては、その「平均レート」が、あるべき「取引日レート」から大きく乖離していないことが、「平均レート」の適用要件として定められています。
(2)は、基準上の文章の読み方の観点です。IAS第21号では、「例えば、1週間又は1ヶ月の平均レートが、当該期間に発生したそれぞれの外貨建ての全ての取引に用いられることもよくある。」という記述があります。この記述が直接的に意味していることは、平均レートの平均期間には、換算する取引の取引日が含まれているということです。すなわち、取引日が属する月・週の平均レートの使用は認められますが、その前月の平均レートを用いることの妥当性についての記述はありません。したがって、その点については、企業実態やIFRS基準の趣旨を総合的に勘案して、慎重に検討する必要がある場合があるかも知れません。
3.期末の換算レート(B/S項目)
親会社及び国内子会社の期中取引の換算については、2.に記載のとおりですが、期末決算において、貸借対照表に係る外貨建項目をさらに換算替えする必要があります。その際に適用する換算レートは、日本基準においてもIFRSにおいても、決算日の為替レートが原則となります。(一部の取引日レート等で換算される項目を除く)
但し、期末決算時の換算レートについても、「平均レート」の取扱いが重要になってきます。日本基準においては、決算日レートが異常と認められる場合は、決算日の前後一定期間の平均レートを用いることが出来ます。しかし、IAS第21号には、そのような例外的な規定はありません。
4.海外子会社のPLの換算
上記2.と3.は、親会社(及び国内子会社)の換算についての論点でした。今度は、連結財務諸表を作成する際にベースとなる海外子会社の財務諸表の換算についてです。
貸借対照表に関しては、日本基準でもIFRSでも決算日レート(一部の取引日レート等で換算される項目を除く)を用いて換算される点で全く同じです。しかし、損益計算書の換算レートの取扱いが異なりますのでご留意下さい。
日本では、原則として期中平均レート(親会社との取引は親会社使用レート)を用いることとされており、さらに間便法で決算日レートでの換算も容認されています。
それに対してIAS第21号では、原則として取引日レートを用いることとされ、為替レートが著しく変動している場合に期中平均レートを用いることが容認されています。すなわち、上期3.と全く同じ規定となっています。
5.振当処理
振当処理とは、外貨建取引に対して為替予約を行った場合に、取引日レートと予約レートの差額を決済等までの期間に按分して損益をして計上する会計手法です。
このような会計処理は、IAS第21号では規定されていません。従って、これまで振当処理を行っていた為替予約等に対しては、IFRSでは単なるヘッジ会計の手法が適用されることになると考えられます。つまり、単純なレート差額を期間按分するのではなく、毎期時価評価を行った上で繰延ヘッジ損益を計上する会計処理が必要となってきます。
今回のテーマには直接該当はしませんが、同じようなことが金利スワップの特例処理についても言えます。
「為替換算」に関するポイントは、このような感じです。これといった大きな論点はありませんが、少し文章が長くなってしまいました。。。
大きな論点がないというのは、IFRSの基準を理解する上では特に悩ましいところが無いと言うことです。むしろ、理論上では、IFRSの規定の方が日本基準よりも正しい(!?)、と言えるかも知れません。日本基準は、初めから実務における便宜を多く加味している傾向にあると思います。
つまり、IFRSの基準自体は悩ましいところは特にありませんが、実務上の取扱いとして具体的に展開していく場合には難しい側面もあります。特に、損益計算書に係る換算レートの決定(期中取引や海外子会社のPL換算)については、今までの方法が無条件にIFRSでも認められるか否か、については十分かつ慎重に検討する必要があると思われます。昨今の経済環境を踏まえると、この基準の適用対象となるような外貨建取引は益々増加することが想定されるので、その意味でも重要な基準であると言うことが出来ると思います。
という訳で、今回はこの辺で。。。

ウクライナ危機の後に来る?為替市場に垣間見える円キャリー取引復活の可能性

ウクライナに侵攻したロシア。写真はキエフにおける爆発(写真:ZUMA Press/アフロ)

過去1年続いた主要通貨におけるドル高トレンドは今年も変わりそうもない。金融市場の関心事はウクライナ情勢だが、ウクライナ情勢が落ち着けば、ドルに対する主要通貨の強弱がよりクローズアップされるだろう。その中で、世界の流れにあらがって金融緩和路線を続ける日本と円はどうなるだろうか。みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏が解説する。

こちらはJBpress Premium会員(有料会員)限定のコンテンツです。
有料会員登録(月額 550円[税込]、最初の月は無料) をしてお読みください。

  • プレミアム限定の記事配信
  • プレミアム専用記事レイアウト
  • 印刷に最適な画面提供

あわせてお読みください

本日の新着

経済観測 バックナンバー

Sponsored

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。 為替への影響
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。

【緊急レポート】直近のドル高・ユーロ高の要因は?今後の為替想定も解説

当社でのお取引にあたっては、各商品毎に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。
金融商品のお取引においては、株価の変動、為替その他の指標の変動等により損失が生じるおそれがあります。
また、商品等の種類により、その損失の額が保証金等の額を上回るおそれがあります。
上記の手数料等およびリスク・ご注意事項についての詳細はこちらをよくお読みください。
お取引に際しては、契約締結前交付書面および目論見書等の内容をよくお読みください。
当社は日本国内にお住まいのお客様を対象にサービスを提供しています。

FX取引(店頭外国為替証拠金取引)は、一定の証拠金を当社に担保として差し入れ、外国通貨の売買を行う取引です。
多額の利益が得られることもある反面、多額の損失を被る危険を伴う取引です。預託した証拠金に比べて大きな金額の取引が可能なため、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標に係る変動を直接の原因として損失が生じ、その損失の額が預託した証拠金の額を上回るおそれがあります。
取引手数料は0円です。ただし、当社が提示する通貨の価格の売値と買値の間には差額(スプレッド)があります。
注文の際には、各通貨ペアとも取引金額に対して4%以上(レバレッジ25倍)の証拠金が必要になります。当社でお取引を行うに際しては、 「店頭外国為替証拠金取引の取引説明書」等をよくお読みいただき、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただき、ご自身の判断にてお取引ください。

CFD取引は預託した証拠金に比べて大きな金額の取引が可能なため、原資産である株式・ETF・ETN・株価指数・その他の指数・商品現物・商品先物、為替、各国の情勢・金融政策、経済指標等の変動により、差し入れた証拠金以上の損失が生じるおそれがあります。
取引金額に対して、商品CFDは5%以上、指数CFDは10%以上、株式CFD・バラエティCFDは20%以上の証拠金が必要となります。
取引手数料は無料です。手数料以外に金利調整額・配当調整額・価格調整額が発生する場合があります。
当社が提示する価格の売値と買値の間には差額(スプレッド)があります。相場急変時等にスプレッドが拡大し、意図した取引ができない可能性があります。
原資産が先物のCFDには取引期限があります。その他の銘柄でも取引期限を設定する場合があります。
当社の企業情報は、当社HP及び日本商品先物取引協会のHPで開示されています。

LINE証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3144号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会

はじめてでもわかる!為替の基本の「き」

「為替」という言葉が広まったのは江戸時代と言われています。「天下の台所」と呼ばれた大坂から江戸に商品を取り寄せるとき、その代金を直接江戸に運ぶには盗賊に遭うなどの危険が伴いました。そこで、考えられたのが「為替」という仕組みです。
現金を江戸に直接持ち運ばず、両替商に代金を渡して、支払いを約束した為替手形を発行してもらい、その手形を受取った大坂の商人が指定された両替商に持って行くことで、代金を受取ることができるようにしたのです。
このように、現金を直接使わずに支払いすることが為替という言葉の本来の意味となります。クレジットカードを使った支払いや銀行振込も為替の一種です。
また、国内の為替の取引を内国為替、外国との為替の取引を外国為替といいます。
今では「為替」というと、外国為替を指すことが一般的です。

円と交換する通貨はシーソーの関係

通貨の人気投票のことで、「円」を持つ方がよいと判断する人が多ければ「円」を買う人が増え、すると世の中に出回っている「円」が少なくなるので、他の通貨より円の価値が高くなる=円高となります。
円と交換する通貨はシーソーのような関係です。つまり、どちらかの通貨が高くなれば、もう一方の通貨は下がるということです。

逆に、円よりも他の通貨を持つ方がよいと判断する人が多ければ円を手放す人が増え、円の価値が下がる=円安となります。1米ドル115円だったものが120円になっていたら円安・ドル高です。以前は、115円出せば1米ドルに交換出来たのに、5円多く支払わないと手に入らなくなったので、円の価値が低くなったと考えます。

あらためて、円高・円安はどちらがおトク?

また、円高は投資でお金を増やす時もチャンスです。低金利が続く円預金では、ただ預けていてもお金はほとんど増えません。でも、外貨預金などで外国通貨を持っていれば、円安になった時にお金が増えることになります。

  • 購入時:(1米ドル110円×1万米ドル)=110万円
  • 売却時:(1米ドル115円×1万米ドル)=115万円
  • ※ 計算例では税金および手数料等は考慮していません。

外貨運用では、購入した時の為替レートよりも円安で売却すれば為替差益が得られます。逆に円高で売却すると為替差損により投資金額が目減りするリスクがあります。
どの通貨に投資するかですが、ニュースで為替の動きが把握しやすい米ドルから始めてみてもいいかもしれません。日本円と比べて金利が高いところも魅力です。

海外ビジネスの利益を最大化する『為替リスクヘッジ対策』とは?

(当コンテンツの情報について)
当コンテンツを掲載するにあたって、その情報および内容には細心の注意を払っておりますが、掲載情報の安全性、合法性、正確性、最新性などについて保証するものではないことをご了承ください。本コンテンツの御利用により、万一ご利用者様および第三者にトラブルや損失・損害が発生したとしても、当社は一切責任を負わないものとさせていただきます。
海外ビジネスに関する情報につきましては、当サイトに掲載の海外進出支援の専門家の方々に直接お問い合わせ頂ければ幸いです。

この記事が役に立つ! と思った方はシェア

海外進出相談数 2,000 件突破!!
最適サポート企業を無料紹介

この記事をご覧になった方は、こちらの記事も見ています

オススメの海外進出サポート企業

YCP&nbspGroup 

YCP Group 

YCP&nbspGroup 

ご利用企業からの評価

<主要サービスメニュー>
・海外展開完全代行: 為替への影響
事業戦略~実行までの各フェーズにて、全ての業務を完全に代行

サイエスト株式会社

サイエスト株式会社

サイエスト株式会社

ご利用企業からの評価

全ての企業と個人のグローバル化を支援するのが、サイエストの使命です。
サイエストは、日本の優れた人材、企業、サービス、文化を世界に幅広く紹介し、より志が開かれた社会を世界中に作り出していくための企業として、2013年5月に設立されました。
近年、日本企業の国内事業環境が厳しい局面を迎える中、アジアを筆頭にした新興国が世界経済で存在感を増しています。
それに伴い、世界中の企業がアジアなどの新興マーケットの開拓を重要な経営戦略のひとつと位置付け、一層注力の度合いを高めています。
サイエストは、創業メンバーが様々な海外展開事業に携わる中で、特に日本企業の製品、サービス、コンテンツには非常に多くの可能性を秘めていると、確信するに至りました。
ただ、海外市場開拓の可能性はあるものの、その実現に苦労している企業も少なくありません。
我々はその課題を

(1)海外事業の担当人材の不足
(2)海外事業の運営ノウハウの不足
(3)海外企業とのネットワーク不足

と捉え、それぞれに本質的なソリューションを提供してまいります。
また、組織を構成する個人のグローバル化も支援し、より優れた人材、企業、そしてサービスや文化を世界中に発信してまいります。
そうして、活発で明るい社会づくりに貢献することで、日本はもちろん、世界から広く必要とされる企業を目指します。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる