個人事業主の節税対策|経費を増やして税金を減らす11の方法
個人事業主の方には、自宅兼事務所というケースも多いと思いますが、その場合には、 家賃や水道光熱費を実際に仕事で使っている面積や時間で按分して、事業の経費とすることができます。
たとえば、2LDK・50㎡の賃貸マンションのうち、15㎡の一部屋を仕事場として使っているのであれば、家賃を按分して30%分を「地代家賃」として経費とすることができます。
礼金(20万円未満)や仲介手数料、共益費は経費とすることができますが、敷金は経費とすることができず契約終了時に返還されるものは、「敷金・保証金」として資産計上し、契約終了時に返還されないもの(家賃2か月分は償却するなど)は、「長期前払費用」として資産計上します。
勘定科目 | |
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家賃、共益費 | 地代家賃 |
礼金・更新料 | 長期前払費用として資産計上する ※20万円未満のものは全額を「支払手数料」で処理する。 |
仲介手数料 | 支払手数料 |
敷金・権利金・保証金 | 契約終了時に返還されるものは、「敷金・保証金」として資産計上する。契約終了時に返還されないもの(家賃2か月分は償却するなど)は、「長期前払費用」として資産計上する。 |
トイレなども、使用割合を按分し経費として計上して構いません。
持ち家で事業をする場合も、返済中のローンの元本以外は経費※とすることができますが、ローンの元本は経費とすることができませんので、注意して下さい。
※使用割合での按分計算が必要です。
(4)消費税や固定資産税は経費になる
個人事業主が納めるべき主な税金は、所得税・事業税・住民税・消費税の4つですが、その他にも事業内容によって、固定資産税や自動車税、印紙税などがかかることもあります。
これらの税金のうち、事業にかかわるものは必要経費とすることができます。
固定資産税など、個人と事業にかかわっている税金の場合には、家賃や光熱費と同じように按分して事業用の割合を必要経費にすることができます。
税金を必要経費と手計上する場合には、「租税公課」という勘定科目を使います。
ただし、所得税や住民税、相続税などは、個人に対する税金なので経費とすることはできません。
税金の種類 | 勘定科目 | |
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経費になる税金(租税公課) | 上手に取引するための方法とは事業税 消費税 固定資産税 自動車税 自動車所得税 不動産所得税 登録免許税 上手に取引するための方法とは 上手に取引するための方法とは 印紙税 | 租税公課 |
経費にならない 税金 | 所得税 住民税 相続税 贈与税 交通反則金などの罰金 加算税 延滞税 | 事業用の口座や現金から納める場合には、「事業主貸」と記帳する |
(5)短期前払費用の特例の活用
インターネットのレンタルサーバー料金など、継続的なサービスの提供を受ける契約で、数カ月分あるいは1年分の代金をまとめて支払う場合があります。
「前払費用」というのは、翌期の経費の前払いなので、原則的には当期の必要経費としては参入できません。しかし、一定の要件を満たした前払費用については、当期の必要経費として計上することができます。 (短期前払費用の特例)
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(6)少額減価償却資産の特例の活用
パソコンやプリンターなど単価が10万円以上するものは、長期間利用できる「固定資産」とみなされて、減価償却という方法で、数年に分割して必要経費にしていくことになり、支払いは1度に済ませた場合でも、その金額をその年中に必要経費とすることはできません。
しかし、 青色申告で確定申告をすれば、30万円未満の固定資産について、一度に必要経費とする優遇措置を受けることができます(取得価額の合計額のうち、300万円に達するまで。令和4年(2022年)3月31日まで ※延長の可能性あり)。
(7)生命保険・介護医療保険・個人年金に加入する
なお、地震保険料の控除額の計算方法は、以下のとおりです。
(8)小規模企業共済への加入
「小規模企業共済」とは、個人事業主などを対象とした個人事業主の退職金のような制度です。 上手に取引するための方法とは
小規模企業共済に加入して支払った掛金月額は、1,000円から70,000円までの範囲内ですが、その全額を控除することができます。
最高で月70,000円ということは、70,000円×12カ月=84万円もの控除を受けることができます。
また、前払いをした場合には、向こう1年以内のものであれば控除することができるので、最高で168万円の所得控除を受けることができます。
(9)経営セーフティ共済への加入
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に加入すると、掛金は損金(法人の場合)または必要経費(個人事業主の場合)に算入できるという税制優遇制度です。
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選ぶことができて、途中で増額・減額できます。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先事業者が倒産した際に中小企業や個人事業主が連鎖倒産したり経営難に陥ったりすることを防ぐための共済制度で、取引先事業者が倒産した際には、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借り入れることができます。
(10) iDeCo(イデコ)への加入
(11)ふるさと納税の活用
個人事業主の節税サポート
これまでご紹介してきたように、個人事業主は多くの節税対策を行うことができます。
しかし、節税対策のために必要経費を計上するためには、日々の取引をコツコツと記帳することが必要です。また、事業の状況や個々の事情によって、とるべき対策は異なります。
したがって、しっかりと節税対策を行いたい場合には、会計ソフトを上手に活用しながら、税理士のサポートを受けることをおすすめします。
個人事業主の節税対策について相談する
税理士に相談すれば、現在の取引状況から利益のシミュレーションを実施し、予想される納税額を計算し、数ある節税対策方法のうち最適なものを提案してもらうことができます。
節税対策は、確定申告の前に慌てて行うより、中長期の計画を立ててじっくり取り組む方が、効果があります。
「前年の確定申告で予想外の税金だった」「売上が伸びているので、もっと節税対策を行いたい」という場合には、早めに税理士のアドバイスを受けてみましょう。
この記事の監修者
遠藤 光寛 えんどう みつひろ
遠藤光寛税理士事務所 代表
法人・個人の皆様の「お金の問題」に誠実に対応し解決します!
個人事業主として事業を行ううえでは、当たり前のことですが、利益を出さなくてはなりません。
そして、利益を出すためには売上高を増やすか、経費を減らすかのどちらかしかありません。個人事業主にとっては、税金も経費のひとつですから、税負担をできるだけ軽減させ、利益を最大化させるための節税対策は、当然のことといえます。
そして、個人事業主の節税対策は、どれだけ税金の基本をしっかり押さえているかで大きく変わります。節税ができている人とできていない人との差は、税金の基本を知っているか知らないかです。
個人事業主に限らないことですが、事業状況を正確に把握し、その状況に応じて適切な節税対策を行うためには、経理を①見える化、②仕組み化、③単純化することが重要です。
遠藤光寛税理士事務所では、元国税出身で税理士の資格を持つコンサルタントが、経理最適化コンサルタントを通じて決算対策、資金管理の見直し・再構築を行うことで、個人事業主の皆様の日々の「経営課題」「運営課題」を明確にするためのサポートを行っております。
その他、個人の資産構築、家計コンサルタント、資金繰りプライベートレッスンなど、個人事業主の皆様の「お金」に関するあらゆる問題に対して財務コンサルタントを行います。
仕事に必要なコミュニケーション能力とは?その高め方について
しかし、コミュニケーションにおいては「相手のことを正しく理解するために、自分は何をしたら良いのか」という点についてもしっかりと考える必要があります。
相手のことを理解するために、まずは他者とより良い関係を構築していくことが大切です。周囲の人と良好な関係を築きたいなら、自分を知ってもらうのはもちろんのこと、「相手を理解したい」という姿勢でのぞむことが求められます。相手を理解したいと考えているなら、まずは相手に興味を持つことからはじめてみましょう。他者に興味を持ち、相手のことを「もっと知りたい」と思って好意的な態度で会話ができれば、信頼関係が築きやすくなります。
情報交換・共有により認識ズレを無くす
情報交換などのプロセスには、「報告」「説明」「連絡」「相談」があります。これらを順番に行うと、良好な人間関係が築きやすくなったり、お互いのことを理解したいという気持ちが生まれたりするなどのメリットにつながります。
また、情報を共有する場合は、「コミュニケーションの目的は何か」という点をしっかりと考えたうえで話をすることが重要です。上司や同僚と情報交換・共有をするときには、業務の進捗状況を伝え合うだけでは不十分でしょう。他に、問題点を伝えたりアドバイスを求めたりするなど、一人ひとりがコミュニケーションを行う目的についてもしっかりと考えてみましょう。コミュニケーションの目的を考えることによって、コミュニケーションの精度もどんどん高まっていきます。
相手から協力を得る
仕事で成果を上げたい場合、自分一人で業務を進めていくばかりでは難しいケースもあります。周りの人に依頼するなどして協力を得るのが上手になると、仕事自体がスムーズに進んでいくというメリットにもつながるのです。例えば、取引先との交渉や上司からのアドバイスが欲しいとき、部下への教育など高いコミュニケーション能力はさまざまなシーンで求められます。このとき、情報を的確に伝え、受け取ることができれば、その分業務も効率良く進みます。
さらに、コミュニケーション能力を高めていけば、相手の行動を促すことも可能になるのです。コミュニケーションをとることによってお互いが助け合いながら業務に取り組める職場環境ができていれば、生産性がアップするだけでなく、ミスも軽減していきます。相手から協力を得るときのプロセスとしては、「説得」「依頼」「指示」「命令」という流れがあります。普段から適切なコミュニケーションをとるように心がけることによって、相手も快く行動してくれる可能性が高くなるといえるでしょう。
コミュニケーション能力は「伝える力」と「受け取る力」
1.「伝える力」について
「伝える力」とは、自分が伝えたい事柄を相手に正確に伝える能力のことです。伝えるための手段としては、複数のやり方があります。具体的には、「書く」「話す」などの手段があるため、ビジネスシーンでは、その時々でふさわしい伝え方を選んでいくことが必要です。例えば、上司に急いで報告したいことがある場合は、口頭で伝えるのがポイント。このときには、「個人的な意見なのか」「事実なのか」をしっかりと区別して伝えられるように気を付けることが欠かせません。また、結論や目的から話すように心がけると、上司も伝えたい事柄を把握しやすくなるでしょう。
また、情報を伝えるときには、伝え方や話し方などを相手に合わせることも大切です。例えば、上司から部下に伝えたいことがある場合は、部下の知識量に合わせて話す内容を変えていくなどして、部下が納得したうえで業務に取り組んでいく必要があります。このように、ビジネスシーンにおいては、伝えたい事柄やそのときのシチュエーションなどによって、適切な伝える手段を選ぶことが求められるのです。「伝える力が高いかどうか」は、「伝えたい内容が意図する形で相手に伝わったか」も大きく影響しています。そのため、「相手へ単に伝えたい内容を話した」というだけでは不十分で、自分が伝えたいことを適切に発信していくことが重要です。
2.「受け取る力」について
「受け取る力」とは、「書く」や「読む」などの手段によって相手が伝えてきた事柄を理解する能力のことをいいます。受け取る力というと、ただ単に「相手の話を聞けば良い」というように解釈されることも少なくありません。しかし、受け取る力のなかには、相手に対してこちらから質問をすることによって、自ら必要な情報を収集したり、正確な情報を求めたりしようとする姿勢も含まれます。このように、受け取る力は質問をするなどして、「自分から情報を受け取りに行く」という姿勢を持つことが重要なのです。
また、受け取る力には相手の考えや心情に寄り添い、傾聴する力も含まれます。相手の話を聞くときには相づちをうったり、表情に気を付けたりするなどのことが欠かせません。
2種類のコミュニケーション方法
1.「言語コミュニケーション」について
「言語コミュニケーション」とは、書いたり話したりするなど、言葉によるコミュニケーションのことです。言語コミュニケーションが適切に行われることによって、周囲の人とも円満な人間関係が築けるようになります。
また、言語コミュニケーションは、「伝える」「聞く」「質問する」の3つによって成立するものです。特に、ビジネスシーンでは「タイミングや正確な言葉選びができるか」が重視される傾向にあります。
2.「非言語コミュニケーション」について
「非言語コミュニケーション」とは、言葉そのものを越えた部分によるコミュニケーションのことを指しています。そのため、「空気を読む」ということをイメージするとわかりやすいかもしれません。例えば、「海外旅行時に日本語が通じないため、身振り手振りで現地の人に質問をした」などの経験がある人もいるのではないでしょうか。これは、非言語コミュニケーションにあたるものです。「言葉が通じない」というシチュエーションでは、ジェスチャーや表情などを駆使して、何とかして自分の考えを相手に伝えようとするのが一般的でしょう。具体的な非言語コミュニケーションとしては、「声のトーン」「相手の表情」「文脈」「背景状況」などが具体的な要素で、言語コミュニケーションを補完してくれるものでもあります。
メラビアンの法則は、「3Vの法則」とも呼ばれており、「自分の話が相手にどのように伝わっているか」について理解していくうえで非常に重要になります。ここでいう「3V」とは、「Verbal(言語情報)」「Vocal(聴覚情報)」「Visual(視覚情報)」といった3つの単語の頭文字をとったものです。メラビアンによると、コミュニケーションにおいて言語情報はわずか7%しか影響を与えないとされています。
言語情報には、話の内容などが含まれていますが、伝える力をより強化していくためには、言語情報以外の部分も重視していく必要があるのです。また、メラビアンによると話し手が聞き手に与える影響として聴覚情報は38%、視覚情報は55%と示されています。
コミュニケーションの形式
1.1対1のコミュニケーション
1対1のコミュニケーションは、「自分」と「相手」によるコミュニケーションです。相手としては、上司や同僚、部下などの他に、家族や友人など、さまざまな人が挙げられます。1対1のコミュニケーションでは、相手が誰になるのかはケースバイケースであるため、相手によって話し方や内容などを変えることが必要です。この形式でのコミュニケーション能力が向上していくと、「相手と親密な人間関係や、信頼関係が築きやすくなる」というメリットにもつながるのです。
1対1のコミュニケーションの場合、相手との密度が高い傾向にあるため、沈黙を恐れて「自分が頑張って話題を提供しなければ」と思うあまり、一方的に話をしようとする人も見られます。しかし、このようなタイプの人のことをコミュニケーション能力が高い人とはいいません。
優れたコミュニケーション能力を持っている人というのは、相手との意思疎通がしっかりとできる人のことをいいます。1対1のコミュニケーションを円滑に行うためには、特に傾聴する力を高めていくことが必要です。相手に興味を持ち、相手の話をしっかりと聞こうという姿勢をうまく示すことができれば、親密な関係が築きやすくなり初対面の人との間にも信頼関係が生まれる可能性もあるでしょう。
このように、1対1のコミュニケーションならではのメリットは、たくさんあります。1対1のコミュニケーションが、一方的な情報提供の場にならないようにするためには、「相手が安心して話せる環境」を用意する努力も必要です。ビジネスシーンにおいて、上司が威圧的な態度をとるなどしていると、業務にまつわる重要な内容でも部下は相談しづらくなってしまいます。そのため、1対1のコミュニケーションでは、信頼関係を築く努力をしたり、相手の発言を理解する態度を示したりするなどのことが大切です。
2.1対他のコミュニケーション
1対他のコミュニケーションとは、「自分」と「その他複数」によるコミュニケーションのことです。ここでいう「その他複数」とは、職場や学校などのような大きな集団から、数人規模までを含みます。ビジネスマンのなかには、「1対1なら問題なく話せるが、1対その他複数になると、緊張して話ができない」という人も多いでしょう。1対他のコミュニケーションを苦手としている人の場合、「言語コミュニケーションを重視しすぎている」という問題があります。
自分が話し手となったとき、「限られた時間のなかで、過不足なく情報を伝えなければならない」と考える人は少なくありません。コミュニケーション能力が低い人のなかには、情報を一方的に伝えようとして、「どのように話を展開していけば良いか」という点を考えすぎるあまり、必要以上に話の内容に重きを置いてしまっているケースもあります。しかし、1対他のコミュニケーションにおいて、「多くの人から共感を得たい」「自分とは考え方が違う相手とでもきちんと話をしたい」などの希望がある場合は、話の内容に配慮するだけで足りません。そのため、非言語コミュニケーションを正しく活用することがポイントです。
自分が話し手で、複数の人に関心を持って話を聞いてもらいたいなら、1対1で会話をするときよりも、声のトーンを高くしたりジェスチャーを大げさにしてみたりするなどの努力も欠かせません。他にも、スライドを工夫するなどのことも効果的です。
コミュニケーション能力は企業の採用にも重視されている
コミュニケーション能力に関しては、企業における採用活動でも重視されている傾向です。過去に日本経団連が行った「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、新卒採用の選考で企業側が重視する点として、「コミュニケーション能力」が15年連続で1位にランクインしています。このアンケート結果から、日本の多くの企業がコミュニケーション能力の高い人材を採用したいと採用したいと考えているのです。そのため、「実際に仕事をはじめてから、コミュニケーション能力を高めるための努力をしよう」と考えていると、就職活動が難航する恐れさえあるでしょう。
ビジネスにおいてコミュニケーション能力は、さまざまなシーンで発揮できるものです。さまざまな仕事を想像してみると、コミュニケーション能力がまったく必要ない仕事はほとんどありません。
M&Aを成功させるための7つのポイント
期待していたほどの利益やシナジーが出なかったという失敗事例は非常に多いです。
例えば、自社とは異なるエリアにある同業種の企業を買収して、商圏の拡大を図ったが拠点として機能しなかった、また、自社とは業種の異なる企業を買収して、新規事業への参入を試みたが期待通りの収益を生まなかった、などなど。
これらの失敗は、基本的に、事前の調査不足によるものがほとんどです。進出するエリアや参入する事業特有のマーケット事情などを事前にしっかりと把握していれば、そもそも買収しないという選択もありましたし、もっと買収価格を安く抑えることもできた、あるいは、別の戦略で業績を伸ばすことができたかもしれません。
事例②費用対効果が見合わない
これは、 買い手側がアドバイザーを介さず、自らの判断のみで買収を決断した場合に起こりやすい失敗。
特に買い手側が複数存在すると、他の買収企業と競っていく中で、買収価格が吊り上っていき、本来の価値に対する価格よりも高額になってしまうことがあるのです。
この場合、M&Aが成約し、仮に買収した事業が上手くいっても、初期投資の回収に時間がかかりすぎてしまい、戦略としては失敗という結果になってしまいます。
M&Aを成功するために押さえておくべきポイント7つ
- 事前準備
- 条件交渉
- M&A完了後
ポイント①M&Aをすると決めたら早めに動き出す
売り手側は、事業承継問題を解決する手段としてM&Aという選択肢が出た時点で、相談相手の目ぼしをつけることが必要になります。M&A仲介会社はまさにその相談役となるので、お気軽にご相談ください。
M&Aは、業界特性や経済動向にも影響を受けやすく、買い手候補が見つかりやすいタイミングというものがあります。決断が遅れてしまうことで、相手先を選ぶ余裕もなく、悪い条件で会社を譲渡・売却せざるを得ない、ということにもなりかねません。
相手先を選ぶベストタイミングを逃さないためにも、「早めの相談」が重要 です。
ポイント②自社への理解を深める
売り手側は、顧客別・商品別の売上高や採算性、強み、課題、技術、従業員の状況など、会社のマイナスな面も含めて、自社の情報を整理し、相手先からの質問に対していつでも説明できるようにしておくと、より円滑な買い手候補先探しが可能となります。
合わせて、従業員の雇用や取引先との取引関係の維持、売却価格、社名など、譲渡・売却する際の優先順位を明確にしておきましょう。
また、会社を売却するわけなので、譲渡価格をいくらにするのか決めておくこともポイントです。譲渡価格については別記事で解説しているので、ぜひこちらの記事もご覧ください。
ポイント③買収監査(デューデリジェンス)をしっかりと行う
買収監査(デューデリジェンス)とは、買い手側による書類および実地の調査であり、 売り手側より提供された資料や情報に間違いがないか、売り手側の保有する資産がちゃんと実在しているかなどを調べます。M&Aにおける数ある手続きの中でも、極めて重要なプロセス と言えます。
ポイント④経営者同士で良好な人間関係を構築する
買い手側だからといって、偉そうな態度はNG。
特に、中小企業の場合、最も価値のある財産は“人”。従業員です。知識やスキル、ノウハウはもちろん、取引先との関係、見えない部分での会社の取り回しなど、全て人についていると言っても過言ではありません。
売り手側の経営者の人間性に惹かれて長年頑張ってきたキーパーソンとなる従業員が、M&Aをきっかけに退職してしまったり、その結果、主要な取引先との関係性が壊れてしまったりすると、企業としての価値が大幅に下がってしまいます。
このような事態に陥らず、円滑に事業を引き継ぐために、顧問や会長などという形で前経営者に一定期間会社に残ってもらうケースも多いです。M&A成立後も、新旧の経営者同士で協力することが必要なので、企業を買収するのではなく引き継ぐという姿勢で、良好な人間関係を構築していきましょう。
ポイント⑤取引金融機関の理解と協力を得る
買い手側が、買収資金の全てを自己資金で賄うのであれば、特に大きな問題はないのですが、中小企業同士のM&Aの場合、かなりの割合で買収資金の融資が必要となります。
「M&Aは秘密保持が第一」と言っても、融資の申し込みを行い、通らなかった場合は、最後の最後でM&Aを見送らざるを得ず、売り手側にも多大な迷惑をかけてしまうことに。
普段から、取引金融機関との関係を良好なものにしておき、経営戦略としてM&Aによる企業買収を考えていることを伝えておくなどして、実際にM&Aを行うタイミングで、迅速に対応してもらえるような協力関係を作っておく必要があります。
弊社が支援するM&Aの場合には、信用金庫と連携しながら進めることがほとんどのため、早い段階から協力関係を作ることができますが、タイムリーに具体的な話を通しておくことは不可欠です。また、必要に応じて、公的金融機関の融資利用なども検討しておくようにしましょう。
M&A完了後
ポイント⑥従業員や取引先と良好な人間関係を構築する
最終契約が済んだら、新旧経営者が揃って、社内外へM&Aの成約を開示することになります。
もっとも、中小企業の場合、株式に譲渡制限があり、譲渡承認機関が株主総会または取締役会である会社が多いため、株主または取締役には事前に開示しておくケースがほとんどです。難しいのは、幹部社員への開示のタイミング。どのタイミングでどのように開示するかは、個々のケースにより事情が異なりますので、事前に新旧経営者で十分に相談して対応しましょう。
また、従業員の中でも、他の従業員からの信頼の厚いキーパーソンとは、情報開示後、早い段階から信頼関係を築けるよう、積極的にコミュニケーションを取ることがポイント。このキーパーソンがリーダーシップを発揮してくれれば、売り手側の従業員の不満を軽減でき、また、何かトラブルがあった場合でも、すぐに相談してもらえるようになるからです。
さらに、主要な取引先についても、原則は新旧経営者が揃って挨拶に回る必要があります。中には、当該主要取引先と交わしている基本契約書で事前了解を取らなければならない条項が含まれていることもあるため、それらの契約書も早めにチェックしておくべきです。
ポイント⑦分かりやすい形でシナジーによる成果を上げる
売り手側・買い手側双方がwin-winとなるためのM&Aなので、可能な限り早い段階で、かつ、分かりやすい形でシナジーによる成果を上げることに注力する必要があります。
最も分かりやすいのが、両社の売上・利益の増大です。それぞれの取引先を紹介し合ったり、それぞれの販売ルートに商品をクロスセルで展開するといったことは、比較的簡単に進めることが可能です。また、設備機材を融通しあったり、仕入の一本化を行ったり、新商品を開発したりするのも分かりやすいやり方です。
そのほかにも、資金繰りに余裕ができたり、双方の経営管理手法を生かしたりするといったことも、シナジーによる成果の一つです。
M&Aは、中小企業にとって、一生に一度経験するかどうかの大きなイベントです。
さまざまな書籍やセミナーから、知識を得ることはできますが、M&Aは個別性の高いイベントであり、得た知識を自社にそのままあてはめることは、なかなか難しい場合が多いです。
そのため、売り手側も買い手側も、できる限り早い段階でM&Aの専門家に相談してみることをおすすめします。
信金キャピタルでは、経験豊富な専門スタッフが、M&Aをお考えの経営者様の個別のご相談に応じます。相談料は無料なので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
〒104-0031
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兼松ビルディング7階 TEL 03-6228-7820 受付時間:平日9:00〜17:00 土日祝年末年始休
上手に取引するための方法とは
会社の規模が大きくなるほど、取引の数が膨大になるため、売掛金の架空計上は行いやすく、露見しにくくなります。数千、数万の取引の実態を1件1件チェックすることは監査法人でも難しいため、架空売上の手続きは比較的簡単に行うことが可能です。例えば、小売業の会社なら契約書と請求書を作成し、発送伝票を作るだけで架空取引による売上を計上することができます。
あるスーパーマーケットの子会社(旅行業)の事例では、架空計上した売掛金を他の売掛金に付替えたり、仮払金や立替金などの名目を使って出金した資金で消し込んだりして、回収できない売掛金が表面化しないようにしていました。別の旅行会社でも同様の手口を使っており、さらに架空計上した売掛金の明細の報告を求められないように金額を細分化していました。
※事例の詳細については以下のリンクを参照してください。
https://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/8701.html
銀行など金融機関から融資を受けられず、資金繰りに困った相手に対して融通する形で振り出すことから、実際の商取引を行わずに振り出される商業手形を融通手形と呼びます。資金難の知人を助けるために融通手形の振り出しが行われるケースもありますが、多くは資金繰りが苦しい企業同士が互いに融通手形を振り出し合い、金融機関で換金するか裏書きして支払先に譲渡するなど、当座の運転資金の調達に使われるケースが大半を占めます。
例えば、業務用機器の製造販売を行っている企業が赤字を計上して民事再生を申請した結果、融通手形の存在が発覚した事例では、資金繰りの悪化から融通手形によって運転資金を確保していました。
※事例の詳細については以下のリンクを参照してください。
https://www.sankeibiz.jp/business/news/150409/bsg1504090500005-n2.htm
業務委託契約とは主に請負契約や委任契約を指します。しかし、実態がない請負契約や委任契約をする架空取引がIT業界に多く発生しています。通常、請負契約は成果物と納期が決められており、発注者は成果物が期日通りに納品されれば請負人に請負額を支払います。委託契約は相手に業務の遂行を委任する契約で、業務全体が対価となります。請負契約の架空取引はグループ会社同士で行うことが可能です。例えば、A社が客先からシステムの一部にA社製品を組み込む作業の請負契約をしたとします。A社はグループ企業のB社に、客先での組み込み作業を含む契約の一部を請負契約として発注します。B社は再び、A社と請負契約を結び、客先での組み込み作業を発注します。この場合、A社からB社に発注した客先での組み込み作業が実態のない取引にあたります。A社、B社共に架空売上を計上しますが、共存関係にあるので表面化しにくい側面があります。
※事例の詳細については以下のリンクを参照してください。
http://www.kfs.go.jp/service/JP/84/12/index.html
(グループ法人に対する業務委託料は資金援助を仮装して計上されたものとされた事例)
② 不正が可能な仕組みの是正
早期に架空取引などの不正を発見するための予防措置のひとつに内部通報窓口の運用があります。制度として利用する場合は通報者が不利益を被ることがないように取り計らうことが重要です。また、内部通報者は公益通報者保護法により守られ、法的にも不利益を被ることはないと社内に周知することも大切です。
また、伝票や会計上の取引、商品やサービスの引き渡し状況を照合し、実需があるのかどうか、不自然な取引がないかの習慣的なチェックを厳格に行います。そして、決済の担当者を特定の個人に集中させるのではなく、業務に応じて複数の担当者に分散させる、または相互確認ができるような決済システムに変更し、個人による着服や横領のリスクを軽減します。
その他、内部監査は不正を発見する目的でモニタリングを行うのも効果的です。通常の会計監査が勘定別の取引や勘定残高などの妥当性を個別に検討するのに対して、内部監査は不正の疑いがある特定の取引の、一連の流れを追跡します。発注から代金回収までの取引全体のモニタリングを強化することで、表面化しづらい不正を見つけることができます。
内部通報により架空取引が発覚した場合は、内部調査委員会または会社から独立した専門家による第三者委員会を立ち上げ、以下のような実態解明に取り組みます。
まずは、帳票類の徹底的なチェックを行います・不正が疑われる取引の配送伝票や請求書、出張申請書など帳票類を徹底的に調査し、不正の事実を明らかにします。そして、在庫数量の不自然な増減がないか、サービス提供の有無など事実確認を十分に行い、不正につながる実態がないか在庫・サービス提供の事実確認を行います。また、同時に証拠となる重要資料やデータが改ざん、隠滅されないように安全な場所に移して保管します。
これらの実態調査の過程では、不正に関与した疑いのある人物が証拠資料の廃棄や隠滅を行うリスクがあるので、調査が始まったことを知られないように細心の注意を払い、行動を監視します。さらに状況を把握するため、社内の関係部署などで聞き取りを行い、職場環境や不正が行われる原因などについて調査します。他にも法的証拠を見つけるための鑑識調査や情報解析に伴う技術や手順に従ってPCのフォレンジック調査を実施します。PCメールなどの重要なデータが膨大にある場合、必要な情報データを特定し、抹消や改ざんがされていないか、証拠としての信用性を確保します。
架空取引などの不正が起きてしまった後は徹底した調査による結果を報告し、取引先や株主などへの影響を最小化させ、再発防止策を講じることが必要になります。
第一に、労務アクションがあります。不正に関わった社員や上司、役員に対して懲戒解雇や減給などの処分を行います。この際、不正への関与が主体的なのか従属的なのか、その実行に情状酌量の余地があるのか、他の社員への影響はどの程度なのかなどを慎重に検討し処分を決定しなければなりません。これらの差配を誤ると、不当解雇で訴えられるなど訴訟リスクを背負うことになりかねません。
第二に、決算期を超えている(有価証券報告書に記載後であれば)上場企業や証券会社や金融機関であれば金融庁など関係省庁への報告・届出を行います。なお、金融庁には公益通報窓口及び相談窓口も設置されているので、利用することができます。粉飾決算などを行っていた場合は、税務署に修正申告をする必要があります。修正せずに放置し、税務署に発覚すると懲罰的な税も課せられるため、速やかに修正申告を行うことが肝要です。
第三に、対外対応(プレスリリース、記者会見)を行います。企業のオフィシャルサイトに経緯を詳細に説明する文書を開示し、プレスリリースを打つなど社外に情報を開示します。必要に応じて記者会見も開き、誠実に対応し、再発防止への決意も表明します。
基準価額はどんなときに上がる?投資信託の基準価額を徹底解説
このように自分の保有しているもしくは購入しようとしているファンドは、何に投資していて、どんな時に基準価額が変動するのかをしっかり把握することが重要です。ファンドの目論見書(投資信託説明書)に、投資先や運用方針などの詳しい情報が記載されていますので、改めて確認してみてください。千葉銀行で取り扱っている投資信託については、ホームページの「ファンド一覧から探す」からファンドを選択し、「お申込情報」から目論見書を確認することができます。
2-2.分配金支払い
分配金が支払われるファンドでは、支払われる分配金の分だけ純資産総額が減少するため、基準価額の下落要因となります。分配金は、預金の利息のように元金に加えて別途入金されるものではなく、ファンドが運用している資産(信託財産といいます)の中から支払われるため、その分、純資産総額が減少するのです。このため、分配金の支払いは、投資資金の一部払い戻しに近い性質があります。
2-3.運用費用の支払い
投資信託では、ファンドを運用している投資のプロに支払う運用費用(信託報酬など)があり、こちらも基準価額の変動要因(下落要因)となります。分配金と同じく、運用費用も信託財産の中から支払われるためです。
2-4.変動要因の確認方法
自分のファンドの基準価額がどの要因でどれくらい変動したのかは、ファンドの運用会社が発刊している月次レポートで概要を確認することができます。
<月次レポートの記載例>
項目 | 2018年7月 | 上手に取引するための方法とは|
---|---|---|
①基準価額騰落額 | 200円 | |
②分配金 | -50円 | |
③為替要因 | 円/ドル | 200円 |
④債券要因 | キャピタルゲイン | 30円 |
インカムゲイン | 30円 | |
⑤信託報酬等 | 上手に取引するための方法とは-10円 |
3.基準価額以外の評価指標
3-1.純資産総額
そのファンドにどれだけお金が集まっているか、つまりどれだけ人気があるファンドかを知ることができます。この純資産総額が少なくなりすぎてしまうと、運用ができなくなってしまい、ファンドが繰り上げ償還されてしまうこともあります。そうなった場合、運用損益がどうであれ強制的に換金されてしまうので注意が必要です。
3-2.騰落率
騰落率とは、ある期間において基準価額がどれだけ変動したかを表す指標です。こちらも月次レポートで確認することができます。記載例は以下の通りです。
<騰落率の記載例>
期間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 3年 | 設定来 |
---|---|---|---|---|---|---|
ファンド | 2.0% | 5.3% | -1.5% | 1.5% | 1.8% | 127.1% |
3-3.トータルリターン
ファンドの時価評価額(保有口数×基準価額) + 受け取った分配金の合計金額 – 購入時の支払い金額(手数料込み)
投資信託による運用成果は、基準価額の騰落率ではなく、分配金なども考慮したこのトータルリターンで判断する必要があります。
- 基準価額とは純資産総額を口数で割ったもので、価格(Price)ではなく価額(Value)である。
- 株価とは異なり1日に1回だけ算出され、新聞やホームページ等で確認することができる。
- 運用損益だけではなく、分配金や運用費用の支払いでも基準価額は変動するため、月次レポート等で変動要因を把握することが重要。
- 投資信託は基準価額だけではなく、純資産総額や騰落率、トータルリターンなどほかの指標も含めてチェックする必要がある。
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