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外国為替市場

外国為替市場
図1:インターネットの基幹回線:世界の光海底ファイバーケーブル網
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外国為替市場

外国為替市場はもともと国際銀行間の通貨決済の場として始まった. 国際銀行間の取引を円滑に実行するため, ブローカーと呼ばれる仲介業者を利用することが行われるようになっていき, このブローカー集団が情報交換を行い取引可能な国際銀行に所属するトレーダー間の仲介を行う業務として, ボイス・ブローキングが組織されるようになっていった.

ボイス・ブローキング・システムとは, 銀行とブローカー間を電話(ホットライン) あるいはテレグラム, FAXで結び, ブローカーに対して注文(気配値)を提示し, 取引可能な他のブローカーを探し出してもらう仲介システムを指す. たとえば, 図1に示すように, あるブローカーに外国為替銀行Aから出されたドル買いの注文が114.20円/ドル, ドル売りの注文が114.26円/ドルとすれば, このブローカーはホットラインを通じて参加するトレーダーに対して, 相場を114.20-26と唱える. これを聞いて, 別の外国為替銀行Bが同じくホットラインを通じて114.20円/ドルでドルを売る通知をして来れば, 取引が114.20円/ドルで成立する. USD/JPYと記述した場合, アメリカドル(USD)1単位の価格を日本円(JPY)建てで表記する. この場合前にあるUSDを第一通貨, 後ろにあるJPYを第二通貨と呼ぶ. 第一通貨を第二通貨で買う(売る)外国為替市場 ということと第二通貨を第一通貨で売る(買う) ということは同じ意味である.

便宜上第一通貨を第二通貨で相手が買ってくれる価格のことを 買気配 または ビッド (bid)第一通貨を第二通貨で相手が売ってくれる価格のことを 売気配 または アスク (ask)と呼ぶ. アスクのことは オファー (offer)とも言う. 現在市場に出ているものの中で最大の買気配値のことを 最良買気配 または ベスト・ビッド (best bid)最小の売気配値のことを 最良売気配 または ベスト・アスク (best ask)と呼ぶ. ベストビッドとベストアスクの幅を証券市場同様にビッド・アスク・スプレッドと呼ぶ.

例えば, USD/JPYの場合銀行間取引の1取引単位は1,000,000USD(日本円で約1億円)である. 外国為替市場において市場参加者は伝統的に 両建て提示 (two way quotation)と呼ばれる独自の注文方法を採用してきた. 両建て提示とは売りを意図している注文であっても, 買いを意図している注文であっても, 両方の注文価格を同時に提示する注文方法である. この方法を採用しているために, 外国為替市場の注文記録から需給バランスを原理的に推定することができない.

ボイス・ブローキング・システムの多くは, ブローカー集団が円卓を囲み, ブローカー集団間が口頭やジェスチャーを通じて意思疎通を行うことによって成立している (図2のような情報伝達経路をとっている). そして, 現在自分達の顧客が提示している注文のすりあわせを行い, 取引可能なトレーダーを探し出し取引を実現することを行っている.


図1 国為替市場参加者(USD/JPY)外国為替市場 の取引の構造. USDを買うことは JPYを売ることと等価であり, USDを売ることはJPYを買うことと等価である.

図2 ボイス・ブローキング・システムの情報伝達構造(a). 中心にボイス・ブローカが相互に情報交換を行える円卓がある(b). 各トレーダーはボイス・ブローカーと電話(ホットライン)やFAX などの情報伝達手段を用いて注文情報のやり取りを行う (トウキョウフォレックス上田ハーローにて著者佐藤が許可を得て撮影).

1990年代に入り, コンピュータと光ファイバ通信網を用いた情報通信技術 (ICT;Information and Communications Technology)の進歩と普及を受け, クライアント--サーバ方式のマッチングエンジンによるブローキング・システム (電子ブローキング・システム)が導入されはじめた. ロイター社が1991年にReuters2000-1というコンピュータ取引システムを発表して以来, 外国為替市場の業務は電話やFAXに代り, コンピュータ端末が重要な役割りを演じるようになっている. その後, 1993年に入り世界銀行12行によって EBS(Electronic Broking System)が組織され, 2大ブローキング・システムの競争が始まり, 電子ブローキング・システムの普及の時代に入った. 特に, 電子ブローキング・システムは公平性, 高速性, 価格性の観点からボイス・ブローキング・システムに対して強い競争力を持っていたため, 加速的に普及し, ボイス・ブローキング・システムより電子ブローキング・ システムを利用する市場参加者が増加し続けている. 電子ブローキング・システムでは, 外国為替市場 トレーダーはコンピュータ端末上に希望する取引価格を入力する. この注文価格は通信回線を通じて中央のホスト・コンピュータに送信され, ホスト・コンピュータ上で自動的に取引可能な他のトレーダーからの注文との適合が行われる. ベスト・ビッド, ベスト・オファーが更新された場合にはコンピュータ端末上で気配価格の更新が行われる. もし取引可能なトレーダーからの注文が存在する場合には両方のトレーダーのコンピュータ端末に取引がなされたことが表示される. その後所定期間以内に決済がなされ取引約定が成立する. 図3(a)に電子ブローキング・システムの情報伝達経路を示す. 各トレーダーはトレーダーが操作可能なコンピュータ端末から注文を入力し, 中央のマッチングエンジンへ注文情報を送信する. 自動的に注文のマッチングを行い, 取引可能なトレーダーを探し出すことができる. 図3(b)は代表的な電子ブローキング・システムあるICAP EBSプラットフォームを利用するときに使用されるコンソールである.

図3 (a)電子ブローキング・システムの情報伝達構造. 中心に市場管理サーバーが注文の自動適合を行う. 各トレーダーはコンピュータ・ネットワークで接続されたコンピュータ端末を用いて, 直接注文のやりとりと市場価格の確認を行うことができる. (b)代表的な電子ブローキング・システム(ICAP EBS)で使用されるコンソール (外国為替市場 ICAP EBS社の許可を得て転載).

外国為替市場(インターバンク)での気配価格を参照値として, 銀行窓口や両替所における実際に取引される通貨交換レート (TTS/TTB)が決められている. 外国為替市場では瞬間瞬間で価格が変化し続けているため, ある基準時間における交換レートを参照値とし仲値(TTM)と呼ばれる価格が決められている. 多くの銀行では毎営業日の9:55ごろの為替レートを参考に価格が決定される. また標準的な仲値を提供するサービスとしてWM/ロイター社がある. 毎日ロンドンの午後4時にインターバンクで取引されているレートをもとに決定される. 執筆現在158の通貨のレートが発表されている.

外国為替市場の取引

外国為替市場は地球の自転に連動して, 昼間に対応する時間帯が変化することに起因して取引の中心的な地域が変化する. そのため世界中の日中に対応する時間が変化することによる市場の時間依存性が存在する. 世界の商業活動の活発な地域を分割するとおおよそアジア, ヨーロッパ, アメリカの3つの地域に分割される. 表1は外国為替市場の参加者が多い代表的な市場の活動時間とタイムゾーンを示す.

RegionIHLocal OpenLocal CloseLocal Time Zone
SydneySY8:00:0017:00:00Australia/Sydney
TokyoTK9:00:0017:00:00Asia/Tokyo
Singapore/Hong KongHK8:00:0017:00:00Asia/Hong Kong
LondonLN8:00:0017:00:00Europe/London
New YorkNY8:00:0017:00:00America/New York
GlobalGL17:00:0017:00:00America/New York

世界標準時であるUTCで時間を取ると, アジア活動時間は0:00-8:00 (UTC+2), ヨー ロッパ活動時間は8:00-16:00 (UTC+2), アメリカ活動時間は 16:00-24:00(UTC+2)に対応する. 国による夏時間(Day Saving Time) 導入の違いに多少は依存するが,世界標準時間(UTC)から見たときに時間の移動が起こる. また,国による祝祭日の違いも外国為替市場の取引の状態に影響を与える. 例えば8月15日や12月24日はキリスト教圏では祝日となっているが, 日本では通常の営業日である.

アジア活動時間帯で外国為替取引の中心的な地域は, 東京, シンガポール, 香港である. また, ヨーロッパ活動時間帯はフランクフルト, ロンドンが市場を形成している. アメリカ活動時間帯では,外国為替市場 世界の情報が集まるニューヨークの影響が大きい.

3年に一度, 国際決済銀行 (Bank of International Settlement;BIS) は BIS Triennial Central Bank Survey (BIS) と呼ばれる世界中の中央銀行やトレーダー集団から集計した外国為替の取引状況に関するサーベイを出版している. この情報によると, USD(アメリカドル), EUR(ユーロ), JPY(日本円) は2004年現在世界で取引量の多い3大通貨である.また, GBP(イギリス・ポンド), CAD(カナダ・ドル), AUD(オーストラリア・ドル), SEK(スウェーデン・クローナ), NOK(ノルウェー・クローネ)は取引量の多い通貨である. 表2に3大通貨の各時間帯における取引量を記す. USDはヨーロッパ活動時間帯で半分以上が取引されている. EURもまたヨーロッパ活動時間で70% が取引されている. JPYはアジア活動時間とヨーロッパ活動時間でそれぞれ40% 程度が取引されている. 各国の通貨は ISO 4217 で規定される3文字の通貨コード(表3参照)で通常表記される. 以降の章においてもこの表記法を使用する.

表2 BIS Triennial Central Bank Survey2004に基づき2001年 4月における1日平均の取引量を100万米ドルで表記した.

活動時間帯USDEURJPY アジア活動時間373,外国為替市場 179 (25.3%)74,745 (12.2%)160,384 (43.4%) ヨーロッパ活動時間806,997 (54.8%)430,156 (70.3%)137,731 (37.3%) アメリカ活動時間292,563 (19.9%)106,909 (17.5%)71,448 (19.3%) 全活動時間1,472,739611,810369,563

表3 主要通貨のISO 4217コードと国・通貨名.

コード国・通貨コード国・通貨
AMDアルメニア・ドラム (Armenia Dram)AUDオーストラリア・ドル (Australian Dollar)
ARSアルゼンチン・ペソ (Argentina Peso)AZNアゼルバイジャン・マナト (Azerbaijan Manat)
BDTバングラデッシュ・タカ (Bangladeshi Taka)BRLブラジル・レアル (Brazil Real)
BHDバーレーン・ディナール (Bahrain Dinar)BTNブータン・ニュルタム (Bhutan Ngultrum)
CADカナダ・ドル (Canadian Dollar)CHFスイス・フラン (Swiss Franc)
CLPチリ・ペソ (Chilian Peso)COPコロンビア・ペソ (Colombian Peso)
CNY中華人民共和国・元 (Chinise Yuan)CZKチェコ・コルナ (Czech Koruna)
DKKデンマーク・クローネ (Danish Krone)DZDアルジェリア・ディナール (Algerian Dinar)
EUR欧州連合(EU)・ユーロ (Euro)EGPエジプト・ポンド (Egyptian Pound)
FJDフィジー・ドル (Fiji Dollar)GBPイギリス・ポンド (British Pound)
GHCガーナ・ セディ (Ghanaian Cedi)HKD香港・ドル (Hong Kong Dollar)
HUFハンガリー・フォリント (Hungarian Forint)IDRインドネシア・ルピア (Indonesian Rupiah)
INRインド・ルピー (Indian Rupee)ISKアイスランド・クローナ (Iceland Krona)
IRRイラン・リアル (Iranian Rial)JPY日本・円 (Japanese Yen)
JMDジャマイカ・ドル (Jamaican Dollar)KZTカザフスタン・テンゲ (Kazakhstan Tenge)
KESケニア・シリング (Kenyan Shilling)KRW大韓民国・ウォン (South Korean Won)
LBPレバノン・ポンド (Lebanon Pound)LVL[10]ラドビア・ラト (Latvian Lat)
MNTモンゴル・トゥグルグ (Mongolia Tugrik)MYRマレーシア・リンギット (Malaysian 外国為替市場 Ringgit)
MXNメキシコ・ペソ (Mexican Peso)NOKノルウェー・クローネ (Norwegian Krone)
NZDニュージーランド・ドル (New Zealand Dollar)OMRオマール・リアル (Omani Rial)
PENペルー・ソル (Peruvian Nuevo Sol)PKRパキスタン・ルピー (Pakistan Rupee)
PHPフィリピン・ペソ (Philippine Peso)PLNポーランド・ズウォティ (Poland Zloty)
RONルーマニア・レイ (Romanian Lei)RUBロシア・ルーブル (Russian Rouble)
SEKスウェーデン・クローナ (Swedish Krona)SKK[11]スロバキア・コルナ (Slovak Koruna)
SIT[12]スロベニア・トラル (Slovenia Tolar)SGDシンガポール・ドル (Singapore Dollar)
THBタイ・バーツ (Thai Baht)TRLトルコ・リラ (Turkish Lira)
UAHウクライナ・フリヴニヤ (Ukrainian Hryvnia)USDアメリカ合衆国・ドル (United States Dollar)
VERベネズエラ・ボリバル (Venezuelan Bolivar)ZAR南アフリカ・ランド (South Affrican Rand)
[10]2014年1月15日LVL廃止. EURに変更.
[11]2009年1月16日SKK廃止. EURに変更.
[12]2007年1月14日SIT廃止. EURに変更.

国際決済銀行の2013年の外国為替市場に関するレポートによると1日平均 (4月1日平均)の外国為替市場の取引量は5兆3,450億米ドル(日本円で約507兆円, 1アメリカドルを95円として換算)である. 表4は1998年から2013年までの4月1日平均取引高の推移を示している. 1998年からの集計によると約3.5倍に増加している. この集計値は取引を行ったディーラー両方について取引をした通貨について2重に計算を行った値である.

表4 1998年から2013年までの外国為替市場で取引された1日あたりの平均取引高. 2013年版BIS Triennial Central Bank Surveyの外国為替市場レポートに基づく. 単位は10億米ドル.

集計年199820012004200720102013
通貨交換1,5271,2391,9343,外国為替市場 3243,9715,345
スポット取引5683866311,0051,4882,046
アウトライト・フォーワード取引128130209362475680
外貨スワップ取引7346569541,7141,7592,228
通貨スワップ 取引10721314354
オプションおよび他の商品8760119212207337

外国為替市場で取引されるスポットでの取引量は, 2013年には1日2兆米ドル(約190兆円)を越え, 約90% が電子ブローキングシステム, ボイスブローキングシステムが約10% となっている. 世界的に見ると複数のボイスブローキングシステムと複数の電子ブローキングシステムが, 銀行間または企業間の通貨交換の仲介業務を行っており, 銀行間での直接的取引(直取引)も行われている.

外国為替市場の高頻度データ

外国為替市場の高頻度データは1次的には電子ブローキング・システム上で生成 される. 電子ブローキング・システムは銀行間取引や個人取引を仲介する仕組み であるがそこで交される 気配価格 (quotes)や 約定 (transaction)に関する詳細なデータは 匿名化 (anonymization)され,証券市場同様に販売されている. 電子ブローキング・システムから直接提供されるデータは極めて高解像度でかつ高頻度のデー タである. 外国為替市場は証券市場と異なり単一の取引所が存在しているわけ ではないため,電子ブローキング・システムで収集されるデータが外国為替市場 での取引全てを網羅しているわけではないが, 取引シェアの大半を担っている電子ブ ローキング・システムの分析を行うことにより, 外国為替市場の様子を高解像度 データを用いて分析することが可能である. 本章で紹介するICAP EBSは自社で電子ブローキング・システムを運営しているため, ここから販売され るデータは極めて高解像度かつ高頻度のデータである. 例えばICAP EBS社(ICAP EBS社 http://www.ebs.com)から 販売されるEBSDataMine Level1.0の時間解像度は1秒である.

一方2次データ・プロバイダは複数の電子ブローキング・ システムから通貨注文と取引に関するデータを購入し連結して提供している. 2次データ・プロバイダは一般に外国為替市場データのみを取り扱っているわけではなく, 証券や債券, 国債, 金属, エネルギーなどの様々な金融データを収集販売している. そのため, 2次データ・プロバイダから提供されるデータの解像度や頻度は1次データ・ プロバイダの提供するデータに比べて高くない場合があるが, 一方でカバレッジは大きいという長所がある. 本章で利用するCQG社(CQG社 http://www.cqg.comから販売されるCQG Comprehensive FXの場合, 時間解像度は1分であり注文のデータのみが利用可能である. データは通貨ペア単位で販売されている.

EBSDataMineLevel1.0

EBS Data Mineのヒストリカル・データにはEBS市場で提示された気配値のEBS Best BidとBest Offerおよび取引約定価格の情報が含まれている. 取引約定価格にはその時点で最も高い買い約定値(the highest paid) と最も安い売り約定値(the lowest given)が記録されている. 記録される時間は更新時間を基準としており, 約定レコードと気配レコードが記録されている. 気配レコードには更新時間終了時点のBest BidとBest Offerが含まれている. 約定レコードには更新時間中の最も高い買い約定値と最も安い売り約定値が含まれている. 更に 外国為替市場 Level2.0 には取引高に関するデータが含まれている.

データは標準的なCSV(comma separated values)形式で, ヘッダーとトレイラーはない. また, データは匿名化されており, 注文値(ビッドとオファー)と約定値の情報が含まれている.

CQG Comprehensive FX

外国為替市場のティック・データとして, CQG社が提供するTime & Salesデータ(以下 T & Sデータと省略)を説明する. T & Sデータは外国通貨間の取引ペアに対して気配値(注文)外国為替市場 提示がサーバに届いた時刻, 注文価格, 売り注文価格, 買い注文価格の別が記録されている. 外国為替市場では, あるトレーダーの通貨の価格提示に対して, 他のトレーダーがその価格による通貨取引に応じることにより取引価格の決定と通貨交換がなされる. この価格提示はquote(注文)と呼ばれる. このデータは匿名化がなされているが, 日時, 活動時間帯, 価格, 注文, 外国為替市場 通信種別, データ種別が記録されている.

外国為替市場の戦後史

表5に1944年から2013年までに外国為替市場に影響を及ぼした出来事をまとめた. 第二次世界大戦の終わり頃1944年7月, 連合国45カ国がアメリカ合衆国ニューハンプシャー州ブレトン・ ウッズに集まり国際通貨体制に関する会議を開催した. この会議では, 戦争の引き金となる通貨危機や通貨の不安定化を避ける方法が模索され, John Maynard Keynesは新しい世界通貨システムにおいて国際共通通貨バンコール (Bancor)を提案したが否決された. 議論の末, 金との等価交換を保証する共通通貨(兌換通貨)としてアメリカ・ドルが選択され, 金1オンス当たり35アメリカ・ドルと固定し, アメリカ・ドルに対する他の主要通貨の交換比率を固定する 固定相場制 (ペッグ制)が採用されることとなった. これを実施するために, ブレトン・ウッズ協定(IMF協定)が批准され, これに基づき, 国際通貨基金 (IMF)と 国際復興開発銀行 (IBRD)の2つの組織が発足する. この固定相場制に基いた通貨交換体制を ブレトン・ウッズ体制 (Bretton Woods system)と呼ぶ.

日本が1952年にブレトン・ウッズ協定に加盟した結果, 日本における外貨取引が可能となり, 東京外国為替市場 が再開される. ブレトン・ウッズ体制は1960年代に入り世界経済の変化によって圧力を受けつつも持続したが, 1971年8月15日にアメリカ大統領ニクソンによって, アメリカドルと金との等価交換制度が変更されたことを受け( ニクソンショック ), 1971年12月アメリカドルの切下げと為替変動幅を拡大したスミソニアン体制が始まる. スミソニアン体制は1972年にイギリス・ポンドが変動相場制へ移行, 日本・円も1973年2月に変動相場制へ移行したのに続き, ドイツ・マルクは1973年3月に変動相場制へと移行したことを受け事実上崩壊し, 1976年1月キングストン合意により 変動相場制 (フロート制)の承認と金とアメリカ・ドルとの固定的な交換比率の廃止が決まった. アメリカ・ドルは以降兌換通貨でなくなる.

1971年以降, 多くの通貨に対して, 変動相場制のもとで, 通貨の交換すなわち通貨取引が盛んに行われるようになり, 外国為替市場は世界的な市場として発展するようになった. 更に, 1985年のプラザ合意以降, イギリスのビッグバン政策が実施されたことに強い影響を受け, 多くの国々では通貨流通に関する制限は撤廃され, 一部の経済的に弱い国を除いて通貨交換レートが市場原理 (market mechanism)に従い変化するようになっていった.

東南アジアの国々では, 自国の経済発展を安定化させるために, 変動相場性による不安定要因を弱める目的で, バスケット方式による, 外国為替市場 固定相場制度を維持し続けた. しかしながら, 外国為替市場の世界的な取引活発化の結果, 1997年に固定相場制を維持することができなくなり, タイ・バーツの暴落に代表されるいわゆるアジア危機が生じた.

また, ヨーロッパでは1979年にECが導入した通貨システムが, ECの拡大発展に伴って成立した欧州連合(EU)に引き継がれ, 1999年には欧州共通通貨ユーロ(Euro)の導入へと発展する.

日本円とアメリカ・ドルとの交換レートはブレトン・ウッズ体制のもとで, 当初, 1ドル360円に固定されていた. 1973年2月の変動相場性への移行後, 日本円とアメリカ・ドルの交換レートは, 1975年12月に1ドル307円の最高値を記録して以来, 日本の輸出産業の強さに起因して円高ドル安の展開が続き, 1995年4月19日, 東京外国為替市場が1ドル79.75円の最高値を記録した. さらに, 2011年10月31日には75.54円となりこれまでの最高値記録が更新された.

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【職種】 貿易事務 【仕事内容】 開始日はご相談ください♪ 【総合商社で輸入貿易事務のお仕事です。】 ・入出荷手配、在庫管理、納期管理 ・請求書発行、入金処理、支払処理、消し込み、 ・船積書類作成、コレポン 外国為替、通関書類作成 ・売掛金管理 【取扱品】食料品関連 ※ご経験によりお時間給はご相談可能です! 【オンライン講座あります】 初心者の方、必見! 外国為替市場 外国為替市場 12時間で学べる貿易実務の入門講座です。 基礎知識から実践力まで学べますし、 ご自宅や好きな場所で受講OK◎ ムリなく専門知識を身につけていきましょう。 【お仕事のポイント】 【青山・外苑前エリア】総合商社/伊藤忠グループ/スタート日相談可/貿易実務経験いかせます/1800円以上のお仕事です 【パソナなら同じお仕事でも高時給!時給UPした方79.7%(対象エリア首都圏)】、新卒・第二新卒歓迎、20代活躍中、30代活躍中、ミドル(40代~)活躍中 【休日休暇】 土曜日、日曜日、祝日 月~金/週5勤務(土日休み) 【休日・勤務のポイント】 土日祝休み 【働き方・環境】 社会保険制度あり、研修制度あり、資格取得支援制度あり、服装自由、禁煙・分煙、駅から徒歩5分以内、派遣スタッフ活躍中 【活かせるスキルのポイント】 英語力を活かす 【給与】 時給 1,800円~ 交通費一部支給 交通費規程に基づき交通費支給 *経験により、ご相談可能です。 【募集のポイント】 勤務先公開、交通費支給、勤務地固定、履歴書不要、WEB登録OK、即日スタート 【応募資格】 【スキル】 ▼その他 英語電話取次ぎ ビジネス英文書作成・読解 【経験】 輸入事務 コレポン業務 売掛・買掛金管理 【業界】 映像・音響・マルチメディア関連 【応募後の流れ】 最後までお読みいただきありがとうございます! <STEP1>パソナへ登録のお手続き「MY PAGE 作成」 はたらこねっとからエントリー完了後にお送りする URL より、 外国為替市場 MYPAGE 登録をお願いいたします。 ※パソナではご来社時のご案内をスムーズにするため、 事前にプロフィールの作成が必要となります。 (パソナ登録済みの方は不要です) <STEP2>面談方法を選択 ■Web面談 パソナへのご来社が不要! 派遣経験のある方や、希望条件が明確な方におすすめです。 ■来社面談 相談をして登録! 派遣が初めての方や、担当者と相談をして お仕事を探したい方におすすめです。 【派遣会社のうれしい特典】 <安心してお仕事に取り組んでいただける万全のサポート体制>500種類以上の豊富な講座メニューでスキルアップを応援!お仕事・メディカル・ライフ等の無料相談窓口やキャリアカウンセラーがマンツーマンでサポート 外国為替市場 許認可番号:派遣許認可番号:派13-304674 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-010444

新着 金融事務(銀行) ピタッと17時まで L Cチェックなど 憧れの大手企業 派遣社員

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【金融事務(銀行)】 <ピタッと17時まで>L/Cチェックなど*憧れの大手企業* 株式会社スタッフサービス/22-03774620 ■ 給与 時給1600~1650円 ■ シフト 週5日以上、1日7時間以上 ■ アクセス 山手線東京駅 ■ 時間帯 朝、昼、完全週休2日制 (土日祝休み)、残業月10時間以下 ■ 勤務地 23区全体 中央区 オフィスワークデビュー歓迎♪ 安心のリクルートグループ★スタッフサービス *未経験OK *かんたんオフィスワーク 「オフィスワーク始めてみたいな・・・」 なんて方、ひとまずご応募ください♪ だれでも安心してお仕事できるように スタッフサービスがしっかりフォローします♪ お気軽にご相談ください◎ ● お仕事情報 ■ 仕事内容 〔金融機関〕 大手企業の自社ビル勤務! 食堂あり♪ 幅広い年齢層の方が活躍中です! 【お仕事の内容】 L/Cチェック、 輸入書類のチェック、 専用システムへの入力、 貨物代金の受け取りから決済、 専用端末の入力、 電話応対などをお願いします。 ◆複数路線利用可能&駅チカ! 近くに飲食店・コンビニあり! オフィカジOK! 禁煙された快適な環境! 当社スタッフも安定就業中! 同業務者がいて安心です! <<ここがポイント>> PCスキルが身に付く、PCスキルを活かす ■ 給与 時給1600~1650円 ◆昇給あり \\゜*★ 月収例 ★*゜// 週5日(月22日勤務)×1日7時間×時給1600円=月収24万6400円 ◆支払い方法:月1回 ◆交通費:別途一部支給 ■ 所在地 東京都 新宿区 西新宿1-6-1 外国為替市場 新宿エルタワー ■ アクセス ◆山手線東京駅 ■ 勤務期間 長期(3ヶ月以上) ◆開始日はご相談可能です。詳しくはお問合せください! ■ シフト・勤務時間 週5日以上、1日7時間以上 9:00~17:00 ※残業はほとんどありません。※休憩は60分です。 ■ 勤務できる曜日 外国為替市場 月、火、水、木、金、平日のみ可 ※土・日・祝がお休みです。 ■ 応募資格 ◆銀行事務の経験が必要です。 ※外国為替関連業務の経験がある方。 経験者優遇、フリーター歓迎、高校卒業以上、主婦(夫)歓迎、履歴書不要 ■ 待遇・福利厚生 ■各種社会保険完備 ◇◆ 研修制度も充実!◆◇ ■ビジネススクール ⇒PCの基本操作から、ExcelやWord、 PowerPointといったOAスキル研修、 電話対応の仕方など基本的な ビジネススキルも身につきます。 ■eラーニング ⇒PCやスマホから、 いつでもどこでも受講OK!(規定あり) ・受講料無料! ・日商簿記、行政書士など受講可能な 講座がたくさん♪ 社会保険完備 ● 応募情報 ■ 会社・店舗名 株式会社スタッフサービス/22-03774620 外国為替市場 ■ 職種名 金融事務(銀行)(<ピタッと17時まで>L/Cチェックなど*憧れの大手企業*)

ケーブル、サメ、そして外国為替市場の場所

技術がサービスに及ぼす影響、特にサービスが生産・取引される場所に及ぼす影響は、脱工業化時代における大きな未解決問題の1つである。廉価な情報通信技術(ICT)によって、距離などの取引障壁が生産場所に及ぼす影響は大幅に軽減されるという見方がある。一方、距離などの取引障壁は依然として重要であるという見方もある (Jacks 2009)。我々は最近の論文において、グローバルな外国為替市場を事例研究として用いることによってこの問題を明らかにした (Eichengreen et al. 2016)。

「フラットな世界」と呼ばれる仮説では (Friedman 2005)、365日24時間ユビキタスな外国為替(FX)市場においては、立地、距離などの地理的側面はもはや重要ではないとされる。高速通信の世界では、関連情報が入手可能なため、通貨取引はどこでも可能で、取引できる場所も増えている。一方、「フラッシュボーイズ」仮説では (Lewis 2014)、21世紀の外国為替市場ではこれまで以上に立地が重要視される。超高速トレーダーがデータマッチングサーバーへの近さを競い合い、取引実行のスピードがきわめて重要なのが特徴である。

図1:インターネットの基幹回線:世界の光海底ファイバーケーブル網

図1:インターネットの基幹回線:世界の光海底ファイバーケーブル網
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図2:光海底ファイバーケーブル経由で英国、米国または日本に初めて接続された年

図2:光海底ファイバーケーブル経由で英国、米国または日本に初めて接続された年

我々は、外国為替電子取引においてロンドン、ニューヨーク、東京という3大金融センターが果たす特別な役割を利用し、識別するという戦略を用いた。3都市には1990年代初頭から電子ブローキングと電子取引の主要プラットフォームであるElectronic Broking Services (EBS) とThomson Reutersのマッチングサーバーが設置されている。その結果、光海底ファイバーケーブルを経由して英国(ロンドン)、米国(ニューヨーク)、あるいは日本(東京)につながっている国はレイテンシ(待ち時間)を削減し、帯域幅を拡大することができる。

もしレイテンシ削減や帯域幅拡大が重要であるならば、ある通貨のオンショア(発行国)やオフショア(主要金融センター)での取引の割合など、外国為替取引が行われる場所は影響を受けるだろう。特に、空間的摩擦や輸送費の削減は、オンショア取引のオフショアの主要金融センターへの移行を促進する可能性があり、これは標準的な「自国市場効果」(Krugman 1980, 1995) であり、「フラッシュボーイズ」仮説と一致する。対照的に、現地での通貨取引に関わる固定費が削減すれば、現地の販売部門を通じた取引の魅力が増すことが予想され、オンショア外国為替取引の維持あるいは回帰につながり、「フラットな世界」仮説と一致する。

図3:光海底ファイバーケーブル接続の影響:時差で捉えた情報の非対称性

図3:光海底ファイバーケーブル接続の影響:時差で捉えた情報の非対称性

注:情報の非対称性の程度を条件とした、オフォショア外国為替取引の予測される割合を示す。その他の空間的摩擦は、ケーブル接続あり(実線)、なし(破線)いずれもゼロに設定されている。左側の図はEichengreen et al. (2016)の表1、1列目のトービット推定に基づく。右側の図はEichengreen et al. (2016)の表1、3列目の一般化線形モデル(GLM)推定に基づく。

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ミャンマーにおける外国為替市場のフォーマル化

アジ研ポリシー・ブリーフ

  • ミャンマーでは為替制度改革後も、銀行を介さない企業間の外貨のヤミ取引が続く。
  • 外貨の銀行外売買は、個々の企業には効率的だが、為替市場が不安定化する懸念あり。
  • 銀行を介した安定的な為替市場の発達を促すには、ヤミ取引を可能にしている外貨預金の国内口座振替への課税が有効。

インフォーマルな経済活動
経済改革を進める民政移管後のミャンマーにあって、インフォーマルな経済活動はしぶとく残っている。租税の網に捕捉されない企業活動、不法な資金の貸し借り、正規の手続きを経ない国外出稼ぎ労働とその送金、煩雑な貿易規制をかいくぐった密輸出入など、インフォーマルな経済活動は幅広い。GDP比の4%程度に過ぎない政府の租税収入の低さは、そうしたインフォーマルな経済活動が蔓延してきたことを如実に示している。インフォーマルな経済活動のフォーマル化は、新政権が取り組んでいる大きな課題だ。

管理フロート制度の実態
2012年4月に、それまで30年以上にわたって続いてきた固定為替相場制度が廃止された。固定為替相場制のもとでは、公定為替レートは国営企業などの公的部門にしか適用されず、民間部門の輸出入企業にはヤミ取引しか外貨両替の手段がなかった。

個々の企業にとっての効率性と経済全体への影響
民間輸出入企業間で外貨ヤミ取引が続くのには理由がある。個々の企業にとってヤミ取引が効率的なのだ。ヤミ取引では、外貨の売り手と買い手がそれぞれ既知の相手と取引するか、あるいはインフォーマルなブローカーが取引をマッチングする。ミャンマーのヤミ取引には長い歴史があり多数の売り手と買い手がいるため、取引相手を探すのは容易だ。仮に市中銀行と外貨を売買する場合、外貨の取引価格には銀行のマージンが上乗せされるが、ヤミ取引ではそうしたマージンが節約できる。そのため、ヤミ取引のほうが、銀行経由の外貨売買と比べて少ない費用で外貨両替ができるのである。

政策提言——外貨取引への課税
輸出入企業に市中銀行での外貨両替というフォーマルな外貨市場を利用させるにはどのような方法が有効だろうか。アンケート調査では、外貨両替に市中銀行を利用している企業は、いずれも銀行からローンを受けている企業であった。この結果からは、市中銀行が優良な取引先には有利な為替レートを提示している可能性が窺える。ここから、市中銀行にローンを増やしていくインセンティブがあれば、対顧客で魅力的な価格を提示して積極的に外貨を買い取って預金の増加を図り、そのことが外貨市場のフォーマル化につながると考えられる。しかし市中銀行の金融仲介能力は未だ発展段階にあり、こうした展開には時間を要する。

外国為替市場における高頻度での価格形成の実態:注文データの分析

経済学部

今回の研究報告では、外国為替市場における注文データを活用した研究 プロジェクト(共同研究者:須齋正幸氏・長崎大学)における一連の研究成果を解説した。 具体的な研究内容に触れる前に、専門研究者以外にも理解できるように、(1)現在の外国 為替電子ブローカー市場、(2)アルゴリズム・トレーディング、(3)外国為替市場のマイ クロストラクチャー分析、(4)日本銀行の外為市場介入、について詳しい解説を行った。 ※本研究プロジェクトは、科研費基盤研究(C) 23530308「金融危機による貿易構造の変化 と株式市場の国際的な連動性の実証分析」の一部である。
これまでの先行研究では、非常に高頻度なティックデータ(取引が約定された時の価格) を用いた分析が行われてきた。例えば、円ドル直物市場においては、一日(2010年9月15日) でおよそ7万回もの約定がある。従来の日次データや、一日の四本足データを用いた分析か らすると、情報量の大きな飛躍であり、行動ファイナンスの実証分析にも大いに役立って いる。しかし、本研究で用いるEBS(世界最大の電子ブローカー)の特別なデータによると、 その日に世界中の金融機関が実際に行った注文回数は62万回もあったことが明らかになる。 約定の時にだけ現れるティックデータでなく、それに至る攻防戦でもある発注・キャンセル のデータを分析することで、金融機関の行動ファイナンスの全貌を初めて明らかにすること ができる。本研究プロジェクトの最大の貢献は、まさにその分析を世界で初めて行うことに ある。
第一の研究「Life-Time of 外国為替市場 Limit Orders in the EBS Foreign Exchange Spot Market」で は、注文のライフタイム (発注から、約定あるいはキャンセルによる終了までの滞在期間) に着目した。分析の結果、 (i)注文金額が大きいほど、(ii)外国為替市場 市場価格から乖離した注文価格 ほど、(iii)市場の厚み(滞在している注文数の大きさ)が小さいほど、(iv)先行する注文の スピードがゆっくりであるほど、注文のライフタイムが長くなることが示された。その一方、 アルゴリズム・トレーディングの可能性の高い「2秒以内にキャンセルされる」注文に限定 した分析では、上記の関係が弱まることも示された。すなわち、注文データの分析からは、 人間の判断による「通常の取引」と、コンピューターによる「プログラムの取引」では、行 動ファイナンスが異なることが示されたことになる。
第二の研究「Central Bank 外国為替市場 外国為替市場 Interventions and Limit Order Behavior in the Foreign Exchange Market」では、(i)(財務省の指示による)日銀の円ドル市場介入を分単位で特定 することに成功し、(ii)その分単位で特定した介入がある時には、注文のライフタイムが 極端に短くなることが示された。
第三の研究「Algorithm Trading in Asian Currency FX Markets」では、クロスレートで ある円/豪ドルの分析を行った。円/豪ドルに関しては、(i)低金利の円を借りて高金利の 豪ドルに投資するキャリー・トレード、(ii)「円/米ドル」と「豪ドル/米ドル」間の三角 外国為替市場 裁定の役割としての取引、に加えて第一の研究で明らかになった(iii)アルゴリズム・トレ ーディングの役割について着目した分析を行った。この研究に関しては、2014年にElsevier 出版社から刊行される、Handbook of Asian Finance, (David Lee and Greg N. Gregoriou eds.)の第10章として掲載される。

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